第10話 美人ヤンキーちょろ先生的な人を顧問に迎えるおはなし そのいち


-職員室-


「顧問の先生?」


 俺は職員室を訪れ、自身のクラスの担任に部活の顧問をしてくれる先生がいないか相談をしていた。


「う~ん……難しいわねぇ、新任の先生ももう配属される部活決まっちゃったし……」

「そうですか……」

「あっ、あそこにいるコンビニの体育教師さんなら暇してるからなってくれるかもしれないわ」


「ただ今揚げたてのフライドポテトを俺が食べまーす」


「失礼しました」


ピシャッ


 俺は職員室の扉を閉めた。

 コンビニの体育教師って何なんだ。

 しかし困った事になった、このままでは夜永さんの財閥が開発しているという猫型ロボットが顧問になってしまう。


~~~~~~~


~回想~


<先日>


「夜永、開発状況はどうなってる?」

「順調に進んでおる、今週中には起動実験を行い実用まで至るであろう」

「雪音さん夜永さん、それは著作権的にも倫理的にもマズい気が」

「何か問題か?」


 むしろ問題しかない。


「この開発は必要なのだ、過去に生きるある少年……のびのびー太のために」

「言っちゃった」

「問題があるのならば代わりの顧問を見つければいい、そうすればこの件は闇に葬ろう」


~~~~~~~


 俺が何とかして代わりを見つけるしかない。

 出るとこに出られたらこんな木っ端な作品は愚か、作者自身が終焉を迎えてしまう。


(最悪掛け持ちでもやってもらうしかないか)


 俺は今日は部活を休み、他の部活動を見て回る事にした。


           *


<運動部>


「ヘイパス! ヘイヘイヘイフリー! ヘイヘイヘ……ナイッシュー」


 やはり運動部は活気があり楽しそうだ。

 これこそが高校生活の醍醐味だろう、俺も道を間違えなければこんな青春を送っていたのだろうか。


 一体どうしてこんな事に……


 まだ部活を始めて二週間足らずで俺は人生の崖っぷちに立たされた気分だ。

 俺は遺書を残す事にした。


『私、響木一斗は命を狙われています。

 何故こんな事になったのかはわかりません

 ただ一つ言える事はオヤシロ様の祟りと関係があるという事です

 犯人は自由部全員

 これを読んだあなた、どうかこの謎を解いてください

 それだけが私の望みです。』


 ふぅ、こんなものでいいだろう。

 これで俺が首を自分で締める事になっても大丈夫だ。


「ふふふ、あははははははは」

「何笑ってんだお前、気持ちわりーな」


 おっと、思わず声が出ていたようだ。

 俺は声がした方に振り返る。


「……あにやってんだおめー?」


 そこにはジャージ姿で咥えタバコをしている茶髪の綺麗な女性が立っていた。

 




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