ハイスペすぎて全てをつまらなく感じていた俺が狂人系女子達になつかれて新しい扉を開いた件~狂ってなければ全員アイドル級なのに~
第8話 正統派ヒロイン的美少女とデートして羨ましがられる的なお話 そのいち
第8話 正統派ヒロイン的美少女とデートして羨ましがられる的なお話 そのいち
~放課後~
-部室-
ガチャッ
「皆、おはよー」
久しぶりに顔を見る部員が部室に入ってきた。
【群青雨】(ぐんじょうれいん)さん、約一週間ぶりの再会だった。
「あっ! れいんさんだ! れいんさんれいんさん!」
久しぶりにれいんさんに会うのではしゃぐ太陽、どうやら猟奇的な狂気生理休暇が終わったらしい。
太陽もれいんさんとの初対面からそんなに日数は経過してないはずだが……よくなついている。
やはり自由部で一、二を争う狂人同士気が合うのだろうか?
「おはよう、れいん」
続いて部長の雪音さんも声をかける。
「おはよう、ナントカちゃんと部長のウンコマン」
生理休暇が終わってもれいんさんは相変わらずだった。
可愛がっているように見えたが雨さんは太陽の名前すら覚えていなかった。部長に至ってはウンコマンと呼ばれる始末だ。
「仕方がない、れいんは3歩歩くと大体の記憶が無くなる」
ウンコマンと呼ばれたのに部長は何故か嬉しそうだった。
「おはよう、響木くん」
「お……ぁはやーございます」
何故か俺の名前は覚えられていた。
すごく怖い。
思わず声が上擦ってしまった。
「そういえば顧問の先生は見つかった?」
れいんさんは思考回路がまともに戻ったのか普通の質問をする。そういえばなんだかんだで顧問をやってくれそうな先生を見つける事はできていなかった。
「今日は夜永がいないけど着実に開発は進んでいるから平気、もうすぐ猫型ロボット『ドゥルァエモン』が完成する。そうしたらそれを顧問にする」
何か不穏な計画が聞こえたが気のせいだろう。
顧問の話をしていたのにド○えもんが出るわけがない
し、ましてやそれを顧問にするなんて常人の発想ではない。
「猫ちゃんロボットの未来道具を使ってお兄ちゃんに調教されるアタシ気持ちイイッ!?」
「私は未来道具を使ってここにいながらうんこを自然に還す」
しまった、ここに常人はいなかったという事を思い出す。
「ねぇ、響木君……良かったら二人きりになりたいんだけど……来てくれるかな……?」
頬を赤らめ、急に小声で俺に耳打ちする雨さん。
正直お断りしたい。
入部初日に狂人となった雨さんに襲われてから
彼女に対するイメージは最早、人ですらなかった。
「……えーっと……」
横目で雪さんと太陽を見る。
どちらかも一緒について来てくれればなんか狂人同士中和されて悪い事は起こらないかもしれない。
「あ、うんこしたい、そうだ、うんこしよう」
「あっ! 今日のおやつはかりんとうですか!? いただきまーす」
ダメだ、ここに人はいない。
仕方なく、俺は一人で雨さんについていくことにした。
*
俺と雨さんは部室前の森の中で話し合う。
「新入部員歓迎会?」
「うん、太陽ちゃんと響木君の歓迎会をしようと思って相談したいんだ」
歓迎される本人に相談するというのはどういう心持ちなのだろう。だが、その気遣いには感謝する。
「えぇ、俺でよければ。それで何をすれば?」
「部費の予算でケーキを作ろうかと思って。まだ同好会だけど一万円くらいは出るから。だからね、明日の放課後に買い出しに付き合ってほしいんだ」
成程、だから荷物持ちに男手が必要で俺に相談したわけだ。
「わかりました、付き合いますよ」
「本当? よかったー、ありがとう! じゃあ放課後正門で待ってるねっ!」
そう言って雨さんは一心不乱に地面に5メートルくらいの穴を掘り
ヤムチャが使う操気弾のように
地中から空へ向かって飛び出して木の裏へと消えていった。
この人達は普通に退場する事ができないのだろうか
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