第7.5話 薄幸寡黙美少女と心と身体で繋がる的なお話〈真相編〉【※白磁雪音視点】



〈真実編.白磁雪音視点〉


「……ふぅ」


 素晴らしい本だった

 まさかうんこがこんなにも多様性を秘めているなんて

 あの偉人があんなうんこをしていたとは


 まさに 『うん恋偉人(こいびと)』


 そういえば新入部員の子が部室に来ていた気がする

 彼にこのうんこいびとの素晴らしさを語ろうと思い


「……ねぇ」


 と話しかけたところで


ギュルルル……


(……もよおしてきた)


 分かりやすく言うなら、うんこしたくなってきた


(動いたら出る……)


 トイレに行かずここでしてしまおうかと考えたが

 さっき読んだうんこいびとの言葉を思い出す


『うんこは循環してなればこそ』


(そうだ)


 ここで出してしまってはうんこは無駄になってしまう

 畳やパンティに染みこませても、うんこは巡り巡らない


(昨日までの私とは違うんだ!)


 しかし、トイレには行けない

 動いたら爆発する

 まさに堂々巡り。鯉のぼり。

 なんだか語感が似ている


 屋根より 高い 堂々巡り


 なんだか鯉が食べたくなってきた

 しかし鯉なんて捌く料理人はいるのだろうか?

 鯉の寿司なんて食べたことない


(聞いてみよう)


「(鯉を捌く)板前って本当にいたと思う?」


ギュルルルルッ……


 ヤバい

 寿司の事考えてたら便意が酷くなってきた

 漏れそう

 もう我慢の限界


「当たり板前」

「あ?」


 彼が何か言っているが思考が巡らない

 自然とイライラしてしまう


(何故? 私はこんなに頑張っているのに……)


「……グスッ」


(ごめんなさい……うんこいびと)


 限界を迎えようとしていたその時ーー


「……は、ずっと……の中にいます」

「!」


(うんこは、ずっと、腹の中にいます?!)


 その通りだ……!

 もし、私が漏らしても

 きっと次のうんこはすぐに巡ってくるのだろう


(あなたは、うんこいびと?)


「……ありがとう……(出して)いいの?」

「もちろんです」


 私は下着をおろす

 そして、うんこいびとにお尻を向ける


「これで(あなたに出せば)少しわかりあえる気がするから…」


 そして、私は解放される。

 本当に、あなた(うんこいびと)と分かり合えた気がした。








































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