第5話 寄付など
物流にて恒例の企画というか仕事がいくつかありました。
異動して二年目から任されました。
本社経営企画部からの依頼です。
一つはある有名大学のOB会への寄付です。
細かく仕様が決まっていて、品目に番号を貼る。その番号、位置、ステッカーの大きさなんかも指定されていました。
箱不良のものや、古くて交換する箱がないけれど、中身の商品は全然大丈夫なもの。そんな品を事前に選んでおいて分けておきます。
それをまとめて送るのですが、きっとビンゴ大会の景品かなんかだろうな…。
僕が大学受験の際に偏差値が高くてとても受験できなかった、超有名大学だからね。
母校なんだろうな…、えらい人の。
ちょっと癪なんだけど、命令だから。
みなさんの手を煩わすのは嫌なので一人でやります。
「堀さん、ごめん、例の…」
経営企画の阿部さんからすまなそうに内線があり、メールで詳細がくるとなんとなくね。
あともう一つ。
これはうれしいものですね。
細かい品目の指示と数量が連絡されます。
合計数ですね。これはちゃんと箱も整った出荷できる商品です。
その後配送先ごとの品目と配送数の指示がきます。
数量、大きさによっては宅配にするか運送会社にするかを決め、配達日が同じになるように手配をします。
細かい品目が多いのでね、大変だけれど、でもこれはどこかの大学のOB会への送付と違いみなさん喜んで手伝ってくれます。
そのあとお礼のお手紙が来ます。
それを読むと、大変だけど送ってよかったとか、珍しくこの業界の会社に在籍していてよかったな…と思うのです。
「乳児院」はご存知でしょうか。
事情によりお子さんを育てられなくなった親や親族がまだ小さい乳児を預ける施設です。
全国にあります。
そこに毎年寄付をしているんですね、弊社は。
全施設に毎年は送れませんので、順繰りで、そこは乳児院の協会のほうで調整しているようです。
親が健康を害したとか、不明とかその他、いろいろな理由で預けられたり、あるいは引き取られたお子さんがいるそうです。
細かい品目だけれどもこれは喜ばれるので、楽しい作業でしたね。
こんなことをしているなんてシステム室にいるときは知らなかったです。
社内に告知すればいいのにね。世間にもアピールできるのに。
いいことしているのですから。
東日本大震災の話は別の機会にして、その他の災害がありますよね、日本は。
会社として哺乳瓶やオムツの廃棄用のゴミ箱などをそのさいに送ります。
勿論、赤十字などを通じてです。
これも社内、社外にはあまり知られていないです。
だけど、いつも思うのです。
送るのはいいのですが、哺乳瓶だけあっても、粉ミルクやお湯がないと…。
現場は物資の整理だけどもきっと大変だろうな…。
物流ではいろいろ経験させてもらいました。今思えば本当によかったな…と思うことばかりですね。
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