高校生、転生。
きさ 佐伯
第1話 プロローグ
「眠い。」
そんなことを独り呟きながら俺は放課後の学校を後にした。俺の名前は霜田朔夜。高校2年生だ。ラノベとかアニメが好きな所謂オタクである。
学校が終わったのでそそくさと家に帰ろうと駐輪場へ足を運んでいる。別に友達がいない訳では無い。登下校は1人でゆっくり過ごすのが俺のやり方だ。
「やっと今週も終わりだ〜。」
そんなことを言いつつ自転車に乗り帰路に着いた。
「ただいまー」
まだ両親は仕事中で家には誰もいないようだ。妹もいるがまだ帰っていないらしい。
「何をしようか…」
自室に入り何をするか検討する……しかしこれといって思い浮かばない。
「やることないし、シコって寝るか」
やることがない時はこれに限る。シコった後に寝るのはめっちゃ気持ちいいんだよな〜なんて思いつつ致した。
「ふぅ…」
そして俺は布団に入って寝た。
「んん…」
しばらくして俺は自然と目が覚めた。カーテンを開くとなんか朝になっていた。
「あれ。もう日付超えてる上に朝かよ」
俺は散歩にでも行こうと思い着替えて外に出た。
「いい気持ちだ〜」
俺は伸びをして歩き始めた。
「なんか面白いことないかな〜」
そんなテンプレな言葉を呟きながら散歩をしている俺。
「異世界転生とか出来たら面白いが」
そんなあるわけが無い妄想を膨らませていた。
「異世界行ったら、、、何もすることないわ。」
夢のないことを言ってしまった気がする。まあそんなことはどうでもいい。俺しかここにいないし。
「そろそろ帰るか…」
そう呟いて向きを変えた。
帰り道。川のあぜ道を歩いている。川までは20m位の高さだろうか。そこを歩いている時だった。
バイクがかなりのスピードで俺を横切って行った。
「うわっ。あぶね」
何とか避けた。そこまでは良かった。
「え?」
そこで俺は気がついた。自分が道から落ちている事に。
「死んだかも。」
この言葉は間違いでは無いのかもしれない。
「まじで俺このまま異世界転生しちゃうんじゃないか!?言霊ってほんとにあっ──」
バチャーン!
この時以降、俺がこの世で目を覚ますことはなかった。
霜田朔夜。川に転落して17の若さで死亡。
この世界での彼の人生はここで幕を閉じることとなった。
高校生、転生。 きさ 佐伯 @kisamori
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