第13話 対決③

 「くっ…それを寄こせ!」


 掴みかかって来る高橋を手で払うと俺は、


 「お前ら、イジメっ子とやってる事変わんねーな…

 俺は柔道と逮捕術の段持ちだが、それでもヤるか?」


 そう言って高橋と門川を交互に見ると門川が、


 「あんた、警察の人間か…

 私は校長がイジメの事実は握り潰せと言うからやったんだ、私は悪くない!」


 と言ったので俺は頭がカッとなり、


 「だったらそん時、理事長にでも相談すれば良かったじゃねーか!!

 それをしなかったお前も同罪なんだよ!!!

 …どうして被害者である彼女を誰も1番に考えてやらねーんだ…クソが…!」


 そこで扉がノックされ開かれると、そこには40代後半位のショートカットで清潔感のある中肉の白いスーツを着た女性が顔を覗かせた。


 「すみませんね、大きな声が聞こえたものですから…

 校長先生、何かありましたか…?

 あら、御無沙汰しております、片山様。

 本日はどうなされたのですか?」


 「うむ、理事長、久しぶりじゃな…。」


 何だ、婆さんは理事長と知り合い…?

 そこに慌てた高橋がしゃしゃり出て来て、


 「り、理事長、何でもありません、この男が訳の解らない事を言って、突然怒鳴り出したのです、直ぐに追い出しますので。」


 「お前ら…この状況でよくそんな事言えるな…

 理事長、私は遠山といいます、片山さんの親戚です。

 初対面で失礼を承知で言いますが、貴女だけはマトモな人である事を願ってますよ…。

 こちらは全てをお話する用意はありますが、今からお時間を頂けますか?」


 「はい、大事な事でしょう?分かりました、お話ください。 

 その前に、校長先生、門川先生は席を外してください。」


 「何故ですか、その男が言う事は全て嘘です、信じてはいけませんぞ!」


 「私は本日、この様な保護者の方との話し合いがあるという事は報告を受けていませんよ。 

 両者からお話をお伺いします、まずは片山様から。

 ですので先生方は外で待っていてください。」


 「ですが…」


 「…外で待ちなさい。」


 そして理事長の迫力に負けた高橋と門川はスゴスゴと職員室へ下がって行った。


 





ーーーーーーーーーーーーーー


 ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございます。

 もしよろしければモチベーション維持のため、お星様や感想をいただけると嬉しいです。

 よろしくお願い申し上げます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る