『ひとり』

やましん(テンパー)

『ひとり』

 『これは、あからさまな、フィクションであります。』






 巨大な街には、だれもいない。


 ゾンビも、キョンシーも、怪獣もいない。


 ああ、気持ち良い夕暮れよ。


 このような、あまく、麗しい大気は、長く感じたことがない。


 そうだ。


 人間が活動しない大気は、きらきらと、光輝くように、やさしく、降り注ぐ。



 でも、なぜ、ぼくは、ひとりなのか。



 エヴァンゲリストさえも、いない。


 わかる、訳もない。




  ・・・・・・・・・・・・┓┓┓


 上司


 『あー。すんだぞ。地球の上から、下から、赤道付近から、例のやつを、ぱらぱらっと、振りかけた。』




  司令官、指で、ぱらぱら、っとやって見せた。     

          🤘

           🌎


部下A


 『大量殺戮ですな。』



上司


 『自分達の長年の罪を、宇宙裁判官に裁かれたのだ。どうしようもない。帰るぞ。』



部下B


 『ひとり、生き残ってます。特異体質でしょう。』



上司


 『ほっとけ。お慈悲ってもんだ。』




   宇宙船は、去っていった。

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『ひとり』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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