459、等結果性【とうけっかせい】

 英:equifinality。システム理論で用いられる概念のひとつで、ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィにより提唱された。動的なシステムにおいて、最終的に同じ結果に至ったとしても、その出発点やプロセスが異なる場合はいくらでもあるという考えを指す。逆に言えば、出発点やプロセスが異なっても、最終的には同じ結果に至ることがある、ということである。

 これは一見、当たり前のことを述べているように見える。だが、動的システムの特性を考えると、驚べき概念である。動的システムとは、構成要素が絶えず相互に影響を与えながら複雑な挙動を示すシステムを指す。例えば、人間の脳や心、天気や金融市場などがこれにあたる。これらのシステムにおいて、初期値が異なっていても、そしてどれほど複雑なプロセスを辿ったとしても、最終的には全く同じ状態に行き着くことがある、というのはまさに驚嘆に値するといえる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る