第40話 新しい関係
「
そう言って笑顔を向ける
「そうね。細かいことを言えばキリがないけど、まあそれなりにすっきりしたかな」
「強いて言えば」
「
「あ、ごめん……そうだね、折角まとまりかけてたんだ。今のはなしで」
「ちょっとちょっとー、そんな風に言われたら気になるじゃない。いいわよ別に、今更どんな話が出ても驚かないから。遠慮せずに言いなさいよ」
「いや、でも」
「いーいーかーらー、言いなさいってば」
「痛い痛い、分かった、分かったからつねらないで」
「よし、ではどうぞ」
「
「なっ……!」
「いや、別にいいんだよ。それくらいリラックスしてくれてるってことなんだから。ただほんと、ちょっと、ちょっとでいいんだ。僕にとって
「……」
「あ、あはははっ……あのですね、
「……なるほどね、そういうことだったんだ。大丈夫だよ
「ううっ……しばらく
「でもまあ確かに、お互い言いたいことも言い合えたし、前よりずっと
「今回の件、その都度ちゃんと話し合っていれば問題なかった、そんな風に私は思います」
「
「確かに
「でもね、
「勿論そういうこともあると思います。でも今回のすれ違い、一番の原因はそこじゃないんですか? 何だかんだ言って二人共、そういう努力を放棄してた。そして分かってもらえないってストレスを溜めていった。本当、私からしたら馬鹿みたいです。
「中々に手厳しい……そうだね、その通りだ。今言われて思い出したよ。そういう風に思ってた筈なのに、
やっぱ
そう言って
「これからお二人共、どうしようと思ってるんですか」
「そうね……また付き合う、なんて一足飛びのことにはならないと思う。何より私たち、ずっとすれ違ってたんだから。これから少しずつ話し合って、どうするか一緒に考えていきたい」
「僕もかな。ちゃんと時間をかけて、焦らずしっかりと向き合いたいと思うよ」
「あ、でもその前に、
「勿論いいよ。
「ありがとう、
顔を見合わせて笑う二人を見て、
二人共、本当に幸せそうに笑っている。
私が見たかった未来はこれなんだ。
まだ元の関係に戻った訳じゃないし、戻らないかもしれない。
でも二人共、初めて会った時とは別人のように自然な笑顔だ。
この世界に来てよかった、心からそう思った。
「それで、君たちの方は大丈夫なのかな。僕たちのおかげで、知らなくていいことまで知ってしまった訳だし」
「私は大丈夫です。と言うか、むしろ知れてよかったです」
「
「あ、はい……確かに色々と、後で考えたいことはあります。でも、僕もこの世界にこれてよかったです。今のお二人に会えて、辛かったことや苦しかったことを聞けて。それはきっと、僕にとってもよかったんだと思います。勿論、
「それって
「あ、うん……それは」
「大丈夫だよ
「ありがとう、
「もーっ! なんで
「あーっ! ちょっとちょっと
「いいじゃないこれくらい、スキンシップ、スキンシップだってば」
「なーにがスキンシップなもんですか、そんなに胸押し付けて!
「に、にやけてなんかは」
「あー本当、帰ってほしくないなぁ。何ならどう? しばらく私の所にお泊まりしない? 楽しかった青春時代のお話、二人で色々してみない?」
「そういうのは隣の人に頼んでください。て言うか、いい加減離れてくださいってば」
互いに
困惑してる
深夜の神社。
4人にとっての思い出の場所。
そして思い出が今日、また一つ増えた。
時間を越えて。
これから先、何かあった時。
きっとまた、この場所にやってくる。
自分たちにとって大切な物を見つける為に。
4人の胸に、そんな思いが灯っていた。
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