phase16.底なしの意志
「こ、これは?」
颯音は自分の身に起きた変化に理解が追いつかない。
身体から絶え間なく溢れる光、そして颯音にも分かる、
内から何とも形容しがたい力がわいてきた。
そのほのかにともす光はどこか切なくあたたかい光だった。
「なんで光ってるんですか??」
「お前はたったさっき、想像と顕現を完成させた。そしてそれに呼応してお前の細胞核内にあるすべてのテロメアが活性化した。今はそのテロメアを消費して顕現されている。これは基本の能力で覚醒という。」
「え、テロメアってあの時横谷さんが言ってた、俺のHP! 早く解除しなきゃ!」
「安心しろ、この程度の消費は一生涯かけても消耗されないよ。説明にもあったと思うが、能力を有する者は普通の人間よりもはるかに多いテロメアを持っている。そしてこの覚醒も一生やってたとしても完全に消耗して死ぬなんてことはまずない。」
「これが、俺の力……。」
「今のお前は例えライフルを撃たれても、刀剣で切りつけられても無傷だぜ。」
「すげえ。」
「この力はとにかく器、そして心と体のバランスが一番大事だ。どんなに打たれ強くても、身体が伴わなければだめ、勿論その逆もだ。」
「よくわからないけど、とにかくどっちもグッドコンディションじゃなきゃダメってとっすね。」
「ああ。そしてお前の心の器。俺はむしろこれにびっくりした。お前の心の器、見た目のサイズは普通以下だった。だが「こ、これは?」
颯音は自分の身に起きた変化に理解が追いつかない。
身体から絶え間なく溢れる光、そして颯音にも分かる、
内から何とも形容しがたい力がわいてきた。
そのほのかにともす光はどこか切なくあたたかい光だった。
「なんで光ってるんですか??」
「お前はたったさっき、想像と顕現を完成させた。そしてそれに呼応してお前の細胞核内にあるすべてのテロメアが活性化した。今はそのテロメアを消費して顕現されている。これは基本の能力で覚醒という。」
「え、テロメアってあの時横谷さんが言ってた、俺のHP! 早く解除しなきゃ!」
「安心しろ、この程度の消費は一生涯かけても消耗されないよ。説明にもあったと思うが、能力を有する者は普通の人間よりもはるかに多いテロメアを持っている。そしてこの覚醒も一生やってたとしても完全に消耗して死ぬなんてことはまずない。」
「これが、俺の力……。」
「今のお前は例えライフルを撃たれても、刀剣で切りつけられても無傷だぜ。」
「すげえ。」
「この力はとにかく器、そして心と体のバランスが一番大事だ。どんなに打たれ強くても、身体が伴わなければだめ、勿論その逆もだ。」
「よくわからないけど、とにかくどっちもグッドコンディションじゃなきゃダメってとっすね。」
「ああ。そしてお前の心の器。俺はむしろこれにびっくりした。お前の心の器、見た目のサイズは普通以下だった。だがそれには底がなかった。考えたもんだな。底なしとは。つまり、湧けば湧くほど無限に力を発揮できる。よほどの強い意志と見たぞ。」
「意志も何もがむしゃらでした。俺の大事な人達が闇に飲み込まれていく夢のようなものを見た時、とにかく助けたかった。それだけです。同じ状況になったら誰もが思う感情かと。」
「いや、単にそれだけじゃないと思うのよ。自分が光になることで、もう二度とそんな闇なんて生まないと。そんなお前の不屈の心が底なしの心の器を顕現したんだ。」
そして頷きながら西宮は続けた。
「これは最高の出だしかもしれんぞ。心の器は顕現した。あとは精神をコントロール出来たら後は完璧だ。覚醒の解除はゆっくり深呼吸をして心の中を無にすることで解除できるぞ。」
「分かりました。」
颯音はゆっくりと深呼吸した。
すると体中からほのかにあふれていた光はゆっくりと消え、
目の前に顕現していた心の器も消失した。
そして颯音はその場で膝をついた。
初めての覚醒でかなり体力と精神力を消耗した。
「か、はあ、はあ。いきなりドッと疲れが来た……。」
「無理もない、初めてはそんなもんだ。でも大きく一歩前進したぞ。一歩どころじゃないくらいにな。」
「そうですか。はあ、はあ、きっつ。足が震えて立てない……。」
「慣れたら大丈夫。こんなふうに、心と身体のバランスは常に均衡させるのが理想像だ。精神の状態や身体の状態に左右されるから、かなり難しい。均衡状態じゃなくても安定するのが目標だ。」
「つまり?」
「心が折れてもだめ、骨が折れてもだめだ。骨折ったらまともな精神状態じゃなくなるだろう。」
「難しいっすね。」
「それだけ人間の心は単純にできていないってことさ。俺もだいぶ苦労した。」
「俺も……? もしかして西宮さんもその力を?」
「お前に襲い掛かった時使ってたぞ。」
「え……。俺の事本気で殺そうとしてました?」
「殺そうとは思っていなかったけど、ボコボコにするつもりだった。能力の発現にはどうしても本能的な部分で強制的に目覚めさせる必要があるからな。」
「ええ……。」
つまり、横谷があの時発砲したのと同じ理由、ということだ。
「そして、ここまでこれだけ説明したのにも理由がある。」
「理由?」
「ああ。俺たちが属している自警団に所属して欲しい。」
「え、じ、自警団??」
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