第78話 ランチタイム後 その1
俺は朱里さんが先ほど言った言葉を、余り深く考えずに食事を再開させる。
俺の中で、もちろん朱里さんを求めているが、今はセーラー服姿のさくらを求めていた!?
「もぐ、もぐ、―――♪」
さくらも笑顔で食事を再開させており、朱里さんも微笑みながら食事を摂っている。
冷めても美味しいカレーは有るが、やはりカツカレーは温かい内が美味しい♪」
話しらしい話しは、食後のお茶時間にすれば良いと思いながら、俺はカツカレーを食べた……
……
食事の後。仕事は上がったはずのさくらだが、朱里さんと共に席を立ち、食器の後片付けを始める。
俺も手伝おうとしたが、さくらに笑顔で止められた!
そして……食後のお茶が始まるのだと思うが、希望の飲み物を聞かれることも無く、朱里さんとさくらは食器類を持って、厨房の方に戻ってしまった!?
今日の食事や飲み物は全て、おまかせコースに成っているのかな?
(外は暑そうだな……)
二人が戻って来るまでの間、俺は窓から見える景色を眺めていた。
道路向こうには海景色が見えるが、今日も波は穏やかな感じがした。
俺はその景色を見ながら今後の予定を、頭の中で組み立てている。
(時間的に、16時頃に此処を出たとしても、公園の営業時間って普通は17時までだよな……)
(ひなた(朱里さんの店)から、公園までは30分ぐらいは掛かるだろうし、調べた感じ上、営業時間外は封鎖する公園では無いから、時間は関係ないだろうけど、今回の出会いはちょっと心残りが発生しそうだな……)
俺は右手で頬杖を付きながら考えていると、朱里さんがトレーに飲み物類を持って戻って来るがさくらと一緒では無かった!?
「お待たせ、颯太さん!」
「アイスティーと桃のシャーベットよ♪」
「これも、私のお手製!♪」
朱里さんは笑顔で言いながら、アイスティーと桃のシャーベットを配膳する。
其処にはさくらが一緒に居ないから、俺は当然、朱里さんに質問をする。
「あの……さくらは、どうしたのですか?」
『ピタッ!』
俺が不安の口調で朱里さんに聞くと……朱里さんが配膳している手が急に止まる!?
「んっ!?」
「さくらちゃん……?」
朱里さんは何故か、急に真顔に成って俺の顔を“まじまじ”と見始める!?
「はっ、はい……そうです!」
俺は緊張しながら、朱里さんにそう言うと、朱里さんは何故か笑い始めた!?
「あはは!」
「そんなの、颯太さん決まっているじゃん!!」
「えっ……!?」
朱里さんが笑いながら、はしゃぎ声で言うので俺は戸惑ってしまう!?
おまけに右手首を上下に動かしている!?
「颯太さん……本当に、セーラー服姿のさくらちゃんが気に入っちゃたの!?」
「流石に夏休みの時期に、セーラー服姿で連れ回すのは不味いよ!//////」
「……さくらちゃんは今、お着替え中♪」
「あの子は食事前に言ったように、もう仕事はさせないから、着替えて貰っているの!!」
朱里さんは半分笑いながら言う。言われてみればそうだ!
さくらはセーラー服姿で来たのでは無く、この喫茶店の制服でセーラー服を着ているのだった!//////
「……//////」
俺はそれに気付いて、顔が真っ赤に成ってしまう//////
俺、気に入りすぎだろ!!
「ジーー」
そして、その姿を見つめている朱里さん!?
しばらく見つめていた後、困った笑顔で話し始める!
「颯太さんは……学生系の格好に興味が有るの?」
「前回のさくらちゃん姿と、今回のさくらちゃん姿では、全然反応が違いすぎるよ!//////」
「セーラー服姿のさくらちゃんを気に入ってくれるのは、私も嬉しいけど……余り、変なコスプレとはさせないでね!//////」
「出来ることなら……素のさくらちゃんを愛してくれると、お姉さんとしては嬉しいな!!」
朱里さんに注意と言う程では無いが、
セーラー服姿のさくらが俺の中ではドストライクでも、分別をわきまえる必要が有ると俺は感じた。
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