第47話 陽気な時間!? その1

 三人での乾杯の後、朱里さんはビールに口を付けているが……結構な勢いで飲んでいた!


「ふぅ~~!」

「仕事の後の、一杯はたまらないね♪」

「明日は定休日だから、余計良いわね♪」


 美人で有る朱里さんだが、この時ばかりは“中年おじさん”に見えてしまった!?

 女性でもこんな一面を見せるのか!?


(朱里さんの喫茶店は、日曜日が定休日なのか?)

(俺には関係ないか……)


「ちゅ~~」


 それに対し、さくらは控えめにストローでジンジャーエールを飲んでいた。

 さくらは男性なのに、女性らしい飲み方だ!?


 俺は普通に飲むと言う、言葉が相応しいかな!

 一気にコップは空けず、半分ぐらい飲んでテーブルに置く。

 折角、サービスでイカ数の子を貰ったし、俺はイカ数の子を食べようかなと思うと……


「はい!」

「颯太さん!!」


 さくらはテーブルに置いて有る、割り箸入れから割り箸を取り、笑顔で俺に渡してくれる。気の利く、さくらだ!


「あっ、ありがとう。さくら//////」


「いえ、いえ。恋人関係だから当然です♪」


 少し、鼻高々に言うさくら。

 けど……それもまた、可愛い……


「朱里さんもどうぞです!」


 さくらは朱里さんにも割り箸を渡していた。

 その辺も、抜かりないさくら。


「あっ、ありがとう。さくらちゃん!!」


 それを笑顔で受け取る朱里さん。

 さっきの場の悪い空気は、完全に何処か行った感じだ。


 三人とも揚げ物系を頼んでいるし、俺は場合はカツ丼だから更に一手間掛かる。

 そのため、料理は直ぐには出てこない。


 そうなると当然、質問タイムような物が自然と始まる。

 一番槍の言葉も変だが、イカ数の子を箸で摘まみながら、朱里さんが俺に質問をしてくる。


「颯太さんの事は……大体、さくらちゃんから聞いて居るけど、サラリーマンをしながら小説を書いているのだよね?」


「はい。そうです!」


「颯太さんは将来は、小説家を目指しているの?」


「出来れば……成りたいですね//////」


「ふ~ん」

「夢を持つ事は良い事だわ!」


「今度時間が有る時に読ませて貰うね♪」

「颯太先生の力作を!!」


「そっ、それは、ありがとうございます///」

「朱里さん//////」


 朱里さんは満面の笑顔で言う!

 それを、嬉し恥ずかしながら言う俺。


 俺の世界観を朱里さんにも知ってもらい、是非ファンの一人にでも成ってくれればと思いながら、俺はコップに入っているノンアルコールビールを空ける。

 朱里さんからの質問が終ると、今度はさくらが、和やかな表情で質問をしてくる。


「颯太さん!」

「今後のお付き合いですけど……どの様に進めて行きます?」


 気の早いさくらは、もう、今後の展開を聞いてきた!?

 いきなり言われても……直ぐには頭に浮かんで来ない……


「えっと……、遠距離関係だから……基本は今まで通り、Railで連絡を取り合って、月に一回俺が、さくらの元に逢いに行く流れかな?」


「……成る程!」

「月に一回は、私と会ってくれるのですね!!」


 月一回だが、さくらは困った素振りなどを見せること無く、和やかな表情で言う。

 けど、急に残念そうな表情に変わるさくら!?


「私も学生の身分ですから……有る程度は、我慢しなければ成りません…」


「でも、私はそれでも、颯太さんと関係を続けたいです!//////」

「こんな女の子ですが……改めて、よろしくお願いします!//////」


 さくらはそう言って、俺の方に頭を下げる!

 さくらの心は、完全に女性の感じだ!!


「あっ、うん…」

「俺も、さくらを大切にしたいから…///」←親友の意味で!


「ありがとうございます。颯太さん//////」


 さくらは頬を染め、微笑みながら言ってくれる!

 何だか……段々と、さくらが本当に可愛いと感じ始めていた!?


 俺はそれを“さくら”に気付かれない様に、コップにノンアルコールビールを注いでいると、店のおばちゃんがトレーに料理を乗せて近付いて来た!

 これから、美味しい・楽しい食事の時間の始まりで有る!

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