エピローグ


よく晴れた空だ。

満点の星空とは言えないが、星が見える夜なんて、いつぶりだろうか。

絵本を書いている時からだから、もう数ヶ月ぶりか。

冬の夜は、流石に冷えるな。

そんなことを思いながら、彼は手帳を教会の前を流れる川に投げた。

こうすることが、まるで、誰かを救うような気がして。

彼が家に帰ると、エマが居た。

エマは、随分とやつれて、疲れているように見えた。

「ただいま」

そう、声をかけると、驚いたように彼女はこちらを見た。

「お帰りなさい」

彼女の目には、涙が浮かんでいる。

「今日は、僕疲れてしまった。だから、エマ、君に料理を頼んでもいいかな」

「えぇ、もちろん」


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