幸せを味わう度
歩行者
第1話 体温を持っていく風とホットコーヒー(微糖)
快晴な空というものは、この事をいうのだろうか?それとも冬場の早朝だから空が気持ちいおのだろうか?
比較的、厚着をしてるつもりではいた、だが貴方は、私の体温を持ち去るついでに、自動販売機の前に私を攫った。
そして、財布から小銭を何枚か取り出させる。
『ガラコン』
と、音がなる。
「また買ってしまった……
節約しようと思っていたんだかなぁ…」
などと、ぼやきながら次の予定までの暇を潰せる場所を探す。
木製のベンチを見つけ、腰を下ろす場所を払う。
見渡すと、人は少なく皆、体を縮こませ歩くか、両の手を擦りながら自らの吐息で紛らわすなどしてる。
「寒いと、わかってるのになぜ対策せずに家からでるのかね?」
独り言を愚痴る
『カシュッ』
と、何故か缶コーヒーから炭酸の様な音がして少しツボに入る
口に流し鼻に抜ける香りを楽しみ喉を鳴らす、食道を温めながら胃まで降りてくそれは、何故か少し胸の絡まりをほぐしながら胃につく。
「はぁ…」
と、ため息の様に息を吐く。
ふと、視界に春の様に透けるような、はっきりとした、青い空が視界に入る。
何故か満たされしまった。
「あぁ、幸せだなぁ……」
と、口から溢れた。
幸せを味わう度 歩行者 @nouname
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