第18話 紙一重

4才の女の子がね・・

人形を寝かしつけてるんですよ。

「ママは今日はお仕事だからね、いい子して寝んねしてね。」


この子の母は看護師なんですよ。コロナで夜勤も多いんです。

だから女の子は人形に言って聞かせてるんですよ。


この人形は自分なんです。

自分を人形に投影してるんですよね。

そしてお母さんを自分に投影して人形に話してるんです。

こうやって大人になっていくんですよね。


こういう心の動きを心理学用語として投影と言いますが・・


例えば・・

ある人に対し敵意なり逆に恋愛感情なりをもっていて・・

そのような自分の気持ちを”認めたくない”ときに・・

その敵意や恋愛の感情は自己の中では抑圧されて・・

そして逆に自分の抑圧した感情を相手に投影して・・

あたかも相手が自分を憎んでいるように感じたり・・

あるいは相手が自分を愛していると感じることがあります。


これは誰にでも起きることですし、これがあるから恋愛に発展したり失恋したりするわけですが・・


これが病的になると、ストーカーとか、殺人事件になるんですよ。

たとえば(私は彼を憎んでいる)は(彼が私を憎んでいる)に置き換わるんです、自分を正当化できますよね。


彼女は僕を愛しているのにそれを素直に認めないとか、あの人は私に殺意を持ってるとか・・そんな風に感じたら自分を疑ってみた方がいいですよ。

正常な投影なのか・・

病的な投影なのか・・

そこは紙一重ですから・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る