邪神を許すには無理がある

@humi-nao

第1話 始まり

俺は一条 ハルト。

朝日が昇り今日も普通に一日が始まった。

いや、始まってしまったが正しいか…


俺はこの時間が大嫌いだ。

父が転勤族で小さい頃から転校を繰り返し、小学から中学を卒業するまで実に6回も転校した。中学卒業と同時に父が転勤になり、知らない土地の高校を受験。

見事合格したものの、全く馴染めず2年で中退。

就職するも、長続きせずに転職ばかり。

変わらなくちゃと思いながら気付けば35歳。


何故だ?

何故こうなった?


朝目覚めると、自問自答を繰り返す。

思えば、変わるチャンスは沢山あった。

勤め先で評価されたり、知り合いからも応援されたり…

でも何時も言い訳ばかりして逃げて来た…

そんな事を繰り返していれば、当然周りには人が居なくなり独りぼっち。


「はぁ…」


また何時もの溜息から1日が始まる。今日は建設現場の日雇いバイトだ。

作業服を着て、待ち合わせのコンビニで車に乗り合わせる。

30分程で現場に着いて仕事を始める。

仕事と言っても、ひたすら木材を運ぶだけだ。

昼はパンをひとつ食べて、午後から木材運び。

8時から17時まで働き6,500円。

家賃18,000円のアパートに帰宅して、19時になったら近くのスーパーで半額弁当を買う。

家には風呂がないので、帰りに銭湯へ寄って帰宅。

帰宅してスマホを開く。

目的はアニメ小説だ。

投稿サイトを開き、お気に入りのアニメ小説を読む。魔法と剣の世界に転生して無双する。いつか俺も…

2時間ほど読んで眠りについた。

そして普通の一日が始まってしまう。


今日もコンビニで乗り合わせて建設現場へ向かう。

現場に着いて木材を運んでいると、現場監督から声がかかる。


「お前はそこの鉄パイプをダムまで運べ」


今日の現場はダムの修繕工事だ。

現場監督に言われるまま、鉄パイプをダムまで運ぶ。

ダムは高さ100メートル程あり、鉄パイプをダムの下に並べて行く。

3時間程作業したところで17時になり、作業を止めようとした。


「危ない!!!!」


突然上から声が聞こえて見上げた。

すると、ダムの上から大量の鉄パイプが降って来ていた。

どうやら、上で作業していた人が誤って止め具を外したらしい。


「やっとか…」


思わず声がもれた。

意識して出した声ではなかった。

死を覚悟したが、悔しさも後悔もなかった。

ただもう疲れた…

死を前にして思ったのはそれだけだった。



※小説が好き過ぎて、自分でも執筆チャレンジしてみようと思います。構想はあるんですが、文章にすると難しく、なかなか上手く書けません… 頑張って書こうと思うので、時間潰しにでも読んで頂けると幸いです。






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