一ノ瀬じゅんの世界

@RMB

第1話 生活

2014年、5月

天気曇り


「イーチ、ニー、サーン」

小山田中陸上部はいつものようにトレーニングのメニューを仲間とこなしていた

この部には、比較的クラスでカーストの高い人物が集まっていることで有名だ。

その中の2年生に一ノ瀬じゅんはいた。

しかしじゅんはそこまで人望が厚いわけでは

なかったが、輝かしい人間に囲まれてる事もあり、本人の抱く理想は高めでなのである

とにかく彼女がほしい

隙あらばそんな願望が頭を悩ませる

自分の現実を見ればそんなことは考えるだけ無駄だという事は分かる。

しかし彼にはそれが耐えられなかった

何故ならこの中学に入るまでは

クラスメイトとの恋愛が彼の思い出の全てだったからだ。

好きな女子がいて、またその女子も自分を好いている。

という状況の中でしか安心できない

最低な男子なのだ

当時、学級文庫にはラノベが置かれており、

2次元に彼女を作るという選択肢があったのにも関わらず

彼はオタクを軽蔑していた。

僕はあんなのとは違う。

僕にだってできるはずなんだ。。

努力も、勝利にも興味の無い人間より

僕の方が上なんだ…

そんな醜い事すら思っているのであった。

彼は勉強とスポーツを一生懸命頑張っていた

しかし結果がどうしても努力と釣り合わない

それでもじゅんは諦めなかった。

出来もしないのに、自分にはできると

信じようとしていた。

これも充実した学校生活を手に入れる為だ

そう思うと頑張れた。

たとえ人から好かれる為とはいえ、

じゅんは可能な限り善人を演じた。

じゅん自身も、そんな生活を楽しいと感じていた。

すこし不純な下心を隠し持つ事以外は、

彼は何も悪い事をしていない。

それなのに…

彼のささやかな人生は間もなく崩壊してしまうのであった。

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