ホイップクリーム【wrote by LAY-RON】
NOVEL OFFICE MT SECO
第1話 彼女の名前はまだ秘密
彼女の前では僕も俺って言ってしまう。いろんな女の子たちと遊んでみたけれど、ふつうの女の子は可愛い。何もかも感謝してくれるから。ちょっと弱いところも可愛いと思う。小さくてふわふわしていて。彼女の影響でサンリオにも詳しくなった。大学生にもなって何しているんだろうって思うけれど、それも人生の楽しみ方として悪くないと思っている。
俺の家はいわゆる財閥というやつで、国内の主要産業には何かしら絡んでいるような会社だ。そんなことをいちいち言うと派手な女たちが群がってくるから言わないようにしている。ただでさえ目立つ仕事をしているから、あまり言わないようにしている。
彼女に出会った。彼女の身の安全を確保したいし、まだ告白前だから名前は伏せておく。髪が長くて、色が白くて、ちょっと不貞腐れた顔が可愛くて、頑張り屋でひとり涙を流していることも知っている。小柄で、そうそう、サンリオが好きらしい。
大学ではいつもひとり。ちょっと虐められているらしい噂は他の女子から聞いている。みんなが彼女を悪く言う
「あの子、性格悪いからw」
「友達いないしねw」
よくわからないけれど、俺からはそんなふうには見えない。俺が好きだから勝手に良く見えているのかもしれないけれど。
いつも彼女を目で追っている。会えた日はラッキー。大学一年生らしい。サークル入ってるのかな、学部はどこなんだろう。
毎日彼女のことを考えているなんて言ったら笑われるかな、でも彼女の寂しそうな笑顔は頭から離れないんだ。
カフェにいる時、健気にメイクの勉強をしていることも俺はよく知っている。
俺は彼女のいいところを知っている。実際は彼女が隠したいようなことも。
たとえば、サロンで有名女優の髪型を真似したいんですって真剣な顔で美容師さんにお願いしていることとか、流行りに便乗して牛丼が好きだって言ってるけれど本当はがっつりしたものが食べれないこととか、何より太りやすいことを気にしてストイックに自分の体に向き合っていることとか。
そういうストイックなところも知りながら健気に頑張って可愛くなろうとしている彼女が可愛いなあと思う。
これはまた俺の片思いの話だから彼女の名前は明かすことはできない。彼女が見てくれていたらいいなと思いつつ。
ホイップクリーム【wrote by LAY-RON】 NOVEL OFFICE MT SECO @nanana-na1986
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