第23話
「あらぁ……? 何で私ぃ、裸なのぉ? それにここは何処かしらぁ?」
フレッシュゴーレムとして復活した褐色の肌の女性は、裸だと分かっていながら自分の体を隠そうともせず、周囲を見回してのんびりとした口調で呟いた。そして目の前にいる熊翔達三人に気づくと、警戒した様子も見せずに熊翔に近づいて話しかける。
「貴方達はどちら様ぁ? ここが何処だか分かりますかぁ?」
「え? ああ、俺は小森熊翔。それでここは……」
「ここは先程まで貴女がいた魔法のダンジョン。その上層にある部屋ですわ」
褐色の肌の女性の質問に答えようとした熊翔の言葉に割り込んでレオーラが答え、それによって褐色の肌の女性が熊翔からレオーラの方を見る。
「魔法のダンジョン? それってぇ……?」
そこまで言ったところで褐色の肌の女性は下の階で自分が一度死んだことを思い出したようで、初めて表情を曇らせた。
「その様子だと自分に何が起こったのか半分は理解できたようですわね。貴女は一度、ここにいる旦那様のカラミティーズ……使い魔に殺されて後、私達と同じようにフレッシュゴーレムとして復活したのです」
「使い魔? フレッシュゴーレム? 復活? ……最初から順番に説明してもらってもよろしいかしらぁ?」
「ええ、よろしいですわよ」
レオーラの言葉に褐色の肌の女性が首を傾げて聞くと、レオーラはその豊かな乳房のある胸を張って説明する。
まずここが魔法のダンジョンで、熊翔がダンジョンを支配しているダンジョンマスターであること。
熊翔がカラミティーズというゴーレムにダンジョンを守らせており、倒した相手をフレッシュゴーレムとして甦らせて自分の手下にできること。
そして今回倒した兵隊達から唯一女性である褐色の肌の女性を見つけ、フレッシュゴーレムにして甦らせたこと。
「……ふぅん。そうですかぁ。それでぇ? 一体どうして私だけを甦らせたのですかぁ?」
「それはもちろん、私の従者にするための私が旦那様にお願いしたのですわ」
レオーラの説明を聞いて褐色の肌の女性が自分を甦らせた理由を聞くと、レオーラが再び胸を張って答える。
「名門貴族の令嬢で旦那様の妻である私のお供がパルコーだけでは格好がつきませんからね。ですから旦那様にお願いをして貴女を甦らせてもらったのですわ」
「いや、妻ってお前が勝手に言ってるだけだろ? お前とパルコーだって同じフレッシュゴーレムじゃないか」
「あはは……。まあ、レオーラさんはいつも自分に自信がありますから……」
レオーラの言葉に、説明を聞くのに飽きて携帯端末の動画を見ていた熊翔が呆れた声で言ってパルコーが苦笑いを浮かべる。そしてそれらの会話を聞いて褐色の肌の女性が興味深そうに熊翔を見た。
「ふぅん……? そういうことですかぁ。理解しましたわぁ。……ねぇ、熊翔様、でしたかぁ? ちょっといいですかぁ?」
「ん? 一体何……んんっ!?」
熊翔が褐色の肌の女性に呼ばれて彼女の方を見ると、いつの間にか彼に近づいていた褐色の肌の女性は熊翔の口に口づけをするのだった。
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