第10話

 フレッシュゴーレムを作った熊翔の前に現れたのは、見事な金髪を長く伸ばした長身の巨乳美人と、銀色の髪を短く切り揃えた少し小柄だが隣の巨乳美人よりも大きな爆乳の美少女であった。二人とも体付きだけでなく非常に美しく整った顔立ちをしており、モデルやアイドルと言われても信じられるくらいである。


「ん……? ここは一体……なっ!? 何ですのこれは!?」


「レオーラさん? どうかしまし……って!? きゃあああっ!?」


 意識を取り戻した金髪の巨乳美女だったが、自分が見覚えのない場所に裸でいること気づくと大声で驚き、その声で気がついた銀髪の爆乳少女も自分が裸だと知るとしゃがみこんで体を手で隠そうとする。


「……! ちょっと貴方! ここは何処で貴方は誰っ!? 私達に何をしたのですか!?」


「こ、ここは俺の部屋で、俺は小森熊翔。ダンジョンマスターだ」


 金髪の巨乳美女はほとんど勘で目の前の男、熊翔が自分達の今の状況に関係していると思うと噛みつくような勢いで問いかけ、その勢いに気圧された熊翔はほとんど反射的に質問に答える。


「ダンジョンマスター……ダンジョン? そういえば私達はさっきまでダンジョンにいたはず……?」


 熊翔の言葉に金髪の巨乳美女は何かを思い出したような表情となって呟く。そして彼は彼女の口から出たダンジョンという単語を聞いて、この金髪の巨乳美女と銀髪の爆乳少女がダンジョンに入り込んで死んで、自分がフレッシュゴーレムにした二人だと改めて確信した。


「それで最後の質問だが、俺はダンジョンで死んだお前達をフレッシュゴーレムにして甦らせたんだ」


「……………えっ? 死んだ?」


「わ、私達が? それで、甦らせた?」


 自分達が一度死んでフレッシュゴーレムとして甦った、という熊翔の言葉に金髪の巨乳美女と銀髪の爆乳少女は信じられないといった表情となる。しかし熊翔はそれに構うことなく話を続ける。


「ショックを受けているところを悪いが、今度はこっちが質問をさせてもらうぞ? ……『俺の質問に答えろ』。ダンジョンに侵入したのはお前達だけか? 仲間がいるんだったら、何人いる?」


「っ! 誰が答え『ダンジョンに侵入したのは私達だけですわ。仲間はおりません』……え?」


「レオーラさん?」


 熊翔の命令口調が気に入らなかったのか、質問を拒否しようとした金髪の巨乳美女だったが、口が勝手に自分の意思に反して彼の質問に答えたことに驚き、銀髪の爆乳少女も驚いた顔となって金髪の巨乳美女を見る。そして熊翔は彼女達以外のダンジョンに侵入者がおらず、とりあえずは危険が無くなったことに胸を撫で下ろしていた。


「そうか。ダンジョンにはもう侵入者はいないのか。よかった」


「あ、貴方……。何故私は貴方の命令を聞いてしまったのですの?」


 安堵の息を吐く熊翔を金髪の巨乳美女は恐ろしいものを見るような目で見ながら質問をする。


「俺は一度死んだお前達をフレッシュゴーレムとして蘇らせたと言っただろう? フレッシュゴーレムというのはダンジョンマスターの命令に従ってダンジョンを守る魔法生物で、フレッシュゴーレムのお前達はダンジョンマスターである俺の命令には逆らえないんだよ」


『『……………!?』』


 金髪の巨乳美女の質問に熊翔が答えると、金髪の巨乳美女と銀髪の爆乳少女は目を見開き絶句するのであった。

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