第2楽章 Andante cantabile 表情豊かに①
今ではわかる。
あんな文章を送って変に悩ませてしまうんではなくて、嘘でも「ここが嫌だった」とか言って、嫌われるべきだったと思う。
今ではわかる。
でも、この時はわからなかった。自分の気持ちを吐き出してしまった。
その後はブロックをしてしまったから、もう通知が来ることはなくなった。
そうして、私は初めてできた彼氏と人の愛し方について少しずつ学ぶ。
ただ、先に伝えておこう。
愛することは、精神的にも肉体的にもどちらも必要だ。
どちらかだけでは、いつかバランスが崩れてしまうものなんだ。
こうして、私は坂道を登っていったつもりだったのに、
降りて行くことになる。
あの夜以降、LINEがすぐにきていた。
「今日は幸せだったね。ありがとう。
また、愛を確かめ合おうね。
ユウがまたこっちに来れそうな日を教えてね。」
こうして、日程が決まって当日までは連絡をお互いに入れなかった。
そもそも私はLINEの通知が苦手だ。できれば、少ない回数でやりとりをしたい派である。
随分と友達からは疎まれたものだ。ただ、こうじさんに限っては同じタイプであったから、頻繁なやりとりをしなくていいことを心地よく感じていた。
そうして、デートの日が近づく。
この日も、セミナー帰りに伺う。泊まっていいとのことだったので、ゆっくりお話しできるといいな、と思う。
それに、初夜・・・ね、あれは痛かったけど、どうもほぐすといいらしい。この類については、めちゃめちゃネットの情報を漁ったものだ。
夜な夜な、エッチな動画サイトも雑誌も読み漁った。とにかく、自分が気持ち良くなるというよりかは、相手に好かれようと必死。
その成果は、どうやら出たようだ。
家に着くなり、「シャワーに入っておいで。僕はもう入ったから待っているね」と告げられた。今日もできる。経験の少ない私は、少し嬉しかった。
こんなメガネのかけただっさい自分を、抱いてくれる人がいることが嬉しかった。
シャワーにはいって、持参した歯ブラシで歯を磨き、口臭ケアの液体を口に含んで。バッチシ。
下の毛だって、剃ってきたんだから。
「ドライヤー、そんな長くなくていいよ。早くおいで。」
裸にタオルを巻きつけたままだったが、それを脱いでベッドに向かう。
笑顔で迎えてくれるこうじさん。
すぐに、キスをしてくれて優しく抱擁されながら横たわる。
すると、「舐めて。」と、いきなり自分の男性器を差し出してきた。
ん、
これが、、、
これが男性器なのか・・・。
実のところ、私は腐女子である。
腐女子とは、つまりですね、男性同士の恋愛が好きなので、ええ、、、
漫画では読み漁っていたんですが。動画でもみたことはありましたが。
おおおおお、
リアルで見たのは初めてである。
これを、舐める、、、?!
そうだよね、そんなシーンみたことあります・・・。
でも、やったことはない!!
見よう見まねではあるが、確か声を出しながら舐めるといいんだよな、最初はぺろぺろすればいいんだったはず・・・。
「ユウ、勉強したの?上手だけど、本当に処女だったの?
・・・でも、血が出てたもんね。」
私は、あまりに恥ずかしくて「ううん、、、」としか言えなかった、、、。
勉強はしてないよ、ってあまりに無理があるよな、とか思うが。なんだか恥ずかしかったんだ。勉強したっていうのが。
そうこうして、「あー、、気持ち良くて口だけでいっちゃいそうだよ。もういいよ。今度は僕がユウを気持ち良くするね。」
そうして、乳房を揉んだり、舐められたりした。
自分1人で触るのとは、もう全く、、、全然違う。
そもそも他人に自分の裸なんて見せたことがないんだから・・・。
最後の挿入まですると、シャワーで体を綺麗にして、寝るまでにおしゃべりをした。
都内から、タワマンの最上階の景色は本当に美しいと思った。
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