第37話 ハンスさん達と食事会2






「凄いな…」


場所は変わってクイナさん達の家。


今は取り寄せの魔法を使ってタブレットの内容を見せている最中だ。


「うむ。読めんな」


ユリウスさんの声に一同頷く。


「ここの数字を円で換算してくれれば良いです。欲しい系統を言ってもらえれば出しますよ?」


「はいはいはい!この前飲んだカシスとオレンジ!」


「カシスとオレンジね」


イリスさんに言われた通りにスクロールしていく。


「あ………やっぱりチョコで。この前クイナの食べちゃったやつ」


「イリス……」


テヘヘと笑うイリスさん。ハンスさんとユリウスさんはびっくりしている。クイナさんは感動してるみたいだ。


ギュッと抱きしめて頭を撫でた。


「イリスが食欲よりも友情を選択した…だと」


「イリスも大人になったんだね」


しみじみ呟いた。失礼ではないか?


失礼だなー!!とポカポカハンスさん達を叩くイリスさん。


その様子は一見和やかだがハンスさん達に結構なダメージ入ってる!!


「この前のだね3500円だよ」


スクロールしてこれこれと指をさした。


「ここに円って書いてないけど支払いは何なの?」


キョトンと聞いてくるイリスさん。


「魔力ですよ。3500魔力」


「3500魔力?私魔力1200だよ」


「そうなんですか?」


イリスさんの言葉の意図が読めない。


「チョコが魔力3500?私の魔力の3倍?なら私も食べれば魔力3倍?」


「なりません」


あ。これイリスさんは混乱しているだけだ。前回お酒飲んだ時説明してなかったもんね。


「!!」


見るからに混乱したイリスさんを相手してたら、タブレットを一緒に見ていたクイナさんが眼を見開いた。


「これ全部チョコ!?」


急に大声出されてビックリした。


「こっからここまでそうですよ」


「…私もチョコで」


「クイナ……?」


どうしたのかと様子を伺うイリスさん。


「イリス…一緒に…食べよう?」


「うん!!」


イリスさんも考えることを放棄し和気藹々と50000円分のチョコを二人で選んでいった。おまけでカシスとオレンジ、カルーアを付けて出しておいた。


「さて、次は俺たちの番だな」


「うむ」


「どう言うのが欲しいんですか?」


「俺はやっぱりこの間の酒盗かな。あれは相当な価格だろ?それ一つで十分だ」


「それ一つで400ですよ。まだまだいけます!」


「は………?







………………は?」



値段を聞いたハンスさんは固まった。

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