第3話デート

今週末か、お店予約しておくかな。

駅の近くにしよう

俺は駅まで歩いてすぐだし

デートで行くような店なんてわからないな

ネットで調べるか

面倒だな


えーと、デートでオススメの店。と

オシャレな店、案外あるんだな

初デートの金額の相場がわからん

まあいい、

オススメの書き込みが多いところにしよう

うーん、高いかな?

まあいいか、女の子が好きそうな店だし。

歩いて行けそうだ。

ここを予約しておこう。


憂鬱だな週末、

話す事ないしな

先輩にアドバイスもらおうかな。

んーだけどややこしくなるな

先輩みたいに振る舞えないし。


あまり考えなくていいか。

寝よう。


俺は本当に憂鬱だった

週末まであっとゆうまに過ぎた。


仕事帰りだしスーツのままでいいか?

とりあえず早めに駅に居よう


10分前に

俺はLINEをした。


南口着いてます

階段の下スーツのままだから。

わかるかな?


すぐ返信がきた。


はーい

私8時ちょうどくらいに着くよ。

階段下ね。

佑月くん身長高いから、スーツでもすぐわかるよ。

待っててね。ハート


ふう。

向こうが気がついてくれないと困る

誰が来るのかさっぱりわからない。



佑月くん。お待たせ!


あ、こんばんは。


トイレに来た子かな?

まあいい

名前なんだっけ?

LINE見ればわかるか

misaki

みさきちゃんね。よし、リハビリだ



店予約しといたんだ

少し歩くけど、

あ、ヒールで大丈夫?


えー。予約してくれたの?

嬉しい。

ヒールの事心配してくれるなんて

佑月くん優しいね。


あ、いや、行こうか。


ねえ佑月くん歩きで来た?


あーうん。アパート近いから


一人暮らし?社宅とか?


いや、普通にアパート


そっか!車カッコいいの乗ってるんだよね?

見たかったな?


あーごめん。



車だけはダメだ女は絶対にのせない、、

あの車は必死で買ったんだ。

あの子とのドライブの為に



佑月くんて佐藤先輩と仲いいの?


うんいいよ


へー。


あー、佐藤先輩ともご飯行くんだよな?この子、気にしてんのか?


あ、着いたこの店


俺は扉を開けて、

どうぞ、と言った


きゃー。すっごい綺麗なお店

佑月くん慣れてる店?

女の子が好きそうな素敵な店じゃん


リアクションいいな。


店員さんに、

予約してた、花井です。

と声をかけた。

窓際の景色のいい席に案内された。



佑月くん?デートでよく来るの?



いや、初めてだけど。


嘘だ〜!!


いや本当に

ほらメニュー

どれがいい?



みさきちゃんが満面の笑みになった。


コース料理しかないじゃん。

嘘、わかんない。


じゃあ、今日のオススメにする?


うん、佑月くんに任せる


すいません、

オススメコース2人


あとワインをグラスで合うものを、


かしこまりました。


佑月くんって落ち着いてて

大人って感じだね?


なんか慣れてるし。


いや、そんな事ないよ


俺はただ、先輩がよく良い店も知っとおけよ!とよく高い店に連れて行ってもらったから慣れてるだけだった。

連れて来た事はない。

先輩につくづく感謝する。

コース料理の店に入ってもあたふたしないで済んだ。こうゆう日の為に連れてってくれたんだな。ありがたい。


佑月くん、私ちょっとおトイレ


あ、どうぞ。


みさきちゃんは

トイレを探さずまっすぐトイレに行った

みさきちゃんこそ

この店来たことあるのか。

来た事あるでいいのに?

あの感じのリアクションの方が、男は喜ぶか。


お待たせ


佑月くん彼女本当に居ないの?

私は別れて3ヶ月なんだ。

前の彼氏は年下で

佑月くんは

私の2個上だよね?

雰囲気はもっと大人に感じるな

私ね化粧品の会社で、、、


俺は話し半分に、よく話す子でよかったと

思った。



コレ美味しい。

ワインも美味しい。

私ね、ワインて、、、


俺の頭の中にコロナの瓶がうかんだ

琥珀色の、夕日に透けると凄く綺麗で

ダイレクトに瓶で飲むのに、品の良い口元が浮かんだ。


ふとみさきちゃんのグラスを見ると

リップグロスがついていて。

気になった。


デザートと紅茶を飲むと

みさきちゃんが、お腹一杯と言った

俺は

会計をした。

伝票にクレジットカードを挟むとき

クレジットカードが何なのか覗き込むみさきちゃんに気がついた。


先輩とご飯に行けば、色の違うリッチなカードだよ。と、心の中で思った


店を出ると


酔っちゃった。と、みさきちゃんが腕に絡んできた。

さっきまでスッキリした顔をしてたのに。

顔が赤くなるわけでもないし。


大丈夫?と声をかけた

みさきちゃんはダメ、帰れないよ

と言った。


アパート近いっていっちゃったしな。


リハビリだ。よし


俺のアパートで休んでく?

そう聞くと。


休んで行きたい。いい?と

しがみ付き上目遣いで言われた。

ゾクゾクっとしたけど

連れて帰る事にした


お邪魔しまーす。


ヒールを脱ぐとみさきちゃんは小さかった

そのわりには、ヒールのサイズは大きく見えた


小さいね、


みさきー153しかないの!


小さい=可愛いか?俺には小さすぎる


広ーい

TV大きい

ソファー大きい、

シンプル

無駄な物何もないね。


あ、うん


コーヒーブラックでいい?

うん、

返事をしながら

みさきちゃんがキッチンに来た

何これ、すごい揃ってる

食器、オーブン

食洗機、スムージー作るヤツまで


佑月くん自炊するの?


いや全くしないよ。


これは

あの子の為の物

スムージー飲むかなとか

食洗機あったら楽だな

とか

食器もペアで


同棲してるキッチンみたい。


あ、トイレ貸してくれる?


あーバスルームの隣そこ。


はー、確かに自炊しないのに。これはおかしい。


ねえ、佑月くん同棲してたでしょ?


いや、してないよ。


嘘付きー!

トイレに女の子用のゴミ箱あったよー



あー。

もう、これは同棲していたほうが辻褄が合う

彼女出来た事ないのに。

ナプキンまでしまってある。

イカれてる。


はい、コーヒーどうぞ


みさきちゃんは、なんか暑いと言って

一枚脱いだ

ムチっとした身体で

服から胸がはみ出しそうだ。


佑月くん私の事嫌い?と

聞きながら近づいてきた。


いや嫌いじゃないよ、


そうゆうとキスをしてきて

口の中に舌が入ってきた


俺の頭に、薄暗い部屋と赤紫の唇が浮かび

すぐクリオネが頭の中で綺麗に泳いだ


吐き気がして

ごめんと、バスルームに駆け込んだ

顔を洗った。

綺麗なクリオネ

あの子の様に

透きとおり

優雅で

天使の羽がついていて

綺麗だ


どうしたのー?と、みさきちゃんの声がした

それとかぶり

あの子の声が頭の中で聞こえる

優しくゆっくり

どうしたの?と言うと首を傾げて

ゆっくり微笑む、

俺は拳を強く握った悲し虚しい気持ちが湧き上がって、涙目になった。

あの子に会いたい。


みさきちゃんの2回目のどうしたのー?とゆう

乱雑な声に我にかえった、


どうでもいい

俺はバスルームから出ると

みさきちゃんをソファーにおしたおした。


どうしたの?

猫撫で声で、、

俺は無理矢理、裸にさせた。

みさきちゃんは

やだ〜と言いながら

半笑いだ、

服で整えられていた胸がダラんと垂れた。


思わず吐きけが、また

俺はバスルームに駆け込んでシャワーを流した

吐いて、泣いた、あの子とまるで違う

華奢な身体の優しい声のあの子に会いたい

もう何年も我慢してきた会いたいとゆう気持ちが止まらない。

泣いて、その声をシャワーで消した。


少し落ち着くと

シャワーを止め、バスルームを少し開けると

みさきちゃんに向かって


ごめん、帰ってくれないか?と聞いた



みさきちゃんは

酷く無い?何?と言って

支度をすると出て行った。


俺はバスルームからでると

消臭剤をソファーが濡れるほどかけた。

部屋中、トイレも玄関も


暑いシャワーを浴びて、

声を出して泣いた


無理だ、、、

限界だ

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