団地猫の日記
もや
第1話 団地猫の日記初日
2022年1月2日 晴れ
テスト、テスト。初めての日記。
一年で一番寒い時期も、朝日を浴びながら毛づくろいをするのがワシの日課じゃ。
今朝も4号室の人間がどこかへ出かけていった。何か言いたげに、毎朝ワシのことを見つめてくるので顔を覚えてしまった。
この日記は猫である、ワシが書いている。
猫の中にも日記を書くものはいるのだよ。
さて、ワシのなわばりは築50年を超える長屋が並ぶ市営住宅の敷地だ。
先祖代々この地で暮らしてきた。
ワシの父や母から伝え聞いた話によると街はずいぶん変わってしまった。
昔はたくさんの子供が走り回っていたそうな。
今では、外で会うのは年を取った人間ばかりだ。
そんな街で暮らしながら、ワシは毎日人間の営みを観察している。
後世に残すために、ちょっと人間のように日記を残すことにした。
今日の発見:人間の発明した、音声入力というのはまことに便利である。
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