〈陽菜乃視点〉









電車が目的の駅へと着きホームに足を下ろして

こんな感じだったなと懐かしがっていると

直ぐ後ろから足音が聞こえ

やっぱり来たんだと思いながら振り返った






「・・・・・・」






ハルト「・・・・今日来たってことは…

  まだ俺のことを好きってことなんでしょ…」






「・・・・懐かしいね…その服…笑」






ウサギは1年前と同じ洋服を着ていて

あの綺麗な瞳は不安なのか小さく揺れている…






ハルト「・・・・ヒナ…俺…」





「久しぶりに…デートしようか?笑」





ハルト「・・・・デート…?」






ウサギは私の言葉に少し驚いた顔をしたけど

直ぐに私の顔をジッと見て様子を伺っていた






「・・・・嫌なら別にいいわよ…

  夕方まで一人で勝手に遊ぶから」






そう言ってウサギの横を通り過ぎようとすると

手を掴まれてウサギは俯いたまま

掴んだ手を一度離すと

指を一本一本交差して繋ぎ直した






「ふふ…今日は甘えん坊ウサギなの?笑」





ハルト「俺が甘えられるのは

  ヒナだけだからいいんだよ…」






少し拗ねた様にそう言うと一歩近づき

私に甘えようとしているのが分かり

ウサギが望んでいる通りに

繋いでいない方の手をウサギの頬に当てて

背伸びをするとウサギも少し屈んでくれた





唇を離すと「ダメ、足りない」と言って

腰に手を回してきて今度は深く口付けてきて…





駅のホームで何てことをしてるんだろうと

頭では分かっていても、私もウサギを求めて

昔の様にウサギの服を掴んでキスに応えた






( あなたの事が大好きだから… )








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る