11月25日(月)

〈ハルト視点〉









今日はバイト先が定休日で

学校が終わり真っ直ぐ家に帰ると

部屋に段ボールが置いてあり

何だろと近づいて行くと

宛名が兄ちゃんからになっていた






ハルト「兄ちゃん!?」





 

ガムテープを剥いでから中を覗くと

中には冬用の服が入っていて

1番上には宅配業者に置いてある

ロゴの入ったメモ紙に

《白玉とのデートに使え》

と書いてあった…






( ヒナとのデート… )






そんな日…くるのかなと思いながら

段ボールから洋服を出して自分の

クローゼットにしまっていると

去年のデート用にと煌と買いに行った

あの服が目に入ってきた…






ハルト「・・・・ずっとここにあったのに…」






いつの間にかこの服を

特別だと思わなくなっていた気がする…







アキラ「最初は頑丈なんだよ…」





そうだ…最初は…





アキラ「でもずっとお湯に浸かってると

    段々と伸びてくるんだよ… 」





今になって煌の言っていた言葉がよく分かる…

もっと大事にするべきだったんだ…

あの人との時間を…

最初はちゃんと分かっていたのに…


 




アキラ「・・・・そして簡単に千切れるんだよ…」



 



きっともう…俺とヒナの糸は切れかかっている…

そうしたのが自分なのも分かってる…






ハルト「それでも…」






あの時の服を抱きしめながら

離れたくない…ヒナの側にいたいと泣いてる俺は

やっぱり…まだまだ21歳のガキのままで…





( もっと早くに…気づかなきゃいけなかったんだ… )








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