10月31日(木)

〈陽菜乃視点〉







「・・・・・・」






あの日の夕方課長から電話があり

11月いっぱいまで休みを取るように言われた…






課「・・・・勘違いはするなよ?

  席に戻ってきてもらわないと困るから

  ゆっくり休みを与えるんだ…

  だから、何も心配しないでゆっくり休みなさい」






( ・・・・戻る席… )






「私のメインは…なんですか…?」


 





改めて自分に問いかけてみた…

答えは分かってるのに

ずっと言葉という形にする事を避けている…





私にこれを教えてくれたのは蒼司君だ…

今回の休みも蒼司君が石田課長に掛け合って

くれたと健司から聞いた…











ケンジ「いい後輩を持ったね?笑」






「後輩じゃないよ…

  先輩は後輩にこんなに迷惑かけないよ…

  私は彼の先輩になれてなんか…ないから…」







蒼司君が作り替えた書類…

私が定時に帰った時に蒼司君はまだ外出先から

戻ってきていなかった…

あの資料のミスに気づき何時まで会社に残って

作り替えたのか…想像はついた…






ソウジ「今の先輩じゃコッチの負担が増えます」






蒼司君から言われた言葉を思いだし目を閉じると

電話の向こうの健司が笑っていて…




 



ケンジ「向こうは憧れの先輩だと思ってるみたいだけど?笑」






「・・・・えっ…」






ケンジ「彼は正真正銘のヒナの後輩だよ

  うちに入社してきた理由聞いた事ある?」






「・・・・第一志望だったって…」






ケンジ「彼の大学は○○大学だよ」






「・・・・えっ?」


 




ケンジ「2年前に卒業生として講義しに行っただろ?

    その時のヒナの話を聞いて

  こんな社会人になりたいって思って

    うちに入社してきてるみたいだよ?笑」





「・・・・・・」






ケンジ「少し休めばまたいつもの先輩に戻りますから…

    だから休ませてあげてくださいってね…」

 

 






健司から聞いた言葉を思い出して

瞼を閉じたままもう一度問いかけた…






「・・・・私のメインはなんですか… 」









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