〈陽菜乃視点〉








「下までで大丈夫なのに…」





ハルト「お土産もあるから重たいでしょ?」






ウサギは帰りも車を降りて

部屋まで荷物を運んで来てくれた






ハルト「はぁー離れたくない…」






そう行って抱きしめて帰る気配のないウサギの

背中をさすりながら「頑張っておいで」と言うと…






ハルト「昨日の朝に戻りたいよ…」






「ふふ…遠足後の子供みたいね?笑」






ハルト「朝起きたらヒナの誕生日ならいいのに…」






「また甘えん坊ウサギなの?笑」






ハルト「バイト頑張れる様に甘やかして?笑」


 




「はーちゃん…

  旅行ありがとうね…凄く嬉しかったよ?笑」






ハルト「ホント?なら良かった!笑」






「うん…ありがとう…」






ウサギの背中をギュッと手で握り

目を閉じてそう伝えた…




あのホテルが

ちょっと高い位の

ホテルじゃない事は分かってるし

ウサギがその為に

バイトを頑張ってくれていた事も分かってる…






「・・・・私も…旅行の前に戻りたいな…笑」





ハルト「ヒナも遠足の子供なの?笑」






「うん…そうかも…笑」








戻りたいと思った…

昨日よりも、もっと前に戻りたいと…





私の30歳の誕生日は

ウサギがくれる幸せだけでなく

ずっと感じていた不安が現実になった日だった…








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