〈タツヤ視点〉











後輩「先輩コレ積んできますね」






タツヤ「あぁ、ついでに戻る時に缶コーヒー頼むわ」






説明会も終わり片付け作業をしながら

ガヤガヤと他企業のスタッフの声や

机や椅子をたたむ音を無心で聞いていると…






ソウジ「アレ!雨なんですか?」





「結構振ってるわよ…すぐ止むといいんだけど…」







白玉の声がどこからか聞こえてきて

車に向かった後輩は大丈夫かと思いながら

ポスターを剥がしていた



 



ソウジ「先輩!仕事にプライベートを持ち込むの 

    あんまり関心しませんね?笑」






「・・・・手…動かしなさいよ…」






ソウジ「彼氏君から借りたんですか?笑」






「もう!煩いわね!!雨で濡れたから着たのよ!」







なんだと思い顔を上げて

白玉達を探すと直ぐ後ろのブロックにいたようで

仕切りのボードが撤去されて

近くにいたんだとその時に気づいた





タツヤ「・・・・あれは…」





白玉は明らかにサイズの合ってない

青いジャージを着ていて

それがメンズ物だと

誰でも分かるデザインだった…




そして、それは…




( 俺のジャージ…だよな… )





2月に陽兎に会いに行った時に

使わない服をアイツに持って行って渡した中の一つで

俺がバスケをする時に使っていた物だ…






ソウジ「準備のいい彼氏君ですね?笑」





「・・・・・・」





ソウジ「彼氏いくつなんです?」





「セクハラよ…」







雨が降るなんて誰も思っていなかっただろうし

白玉が男と二人っきりで泊まりがけの出張だと知り

白玉の首に痕をつけジャージも持たせたんだと分かった





タツヤ「・・・・バカなヤツだな…笑」






階段でのあの台詞を聞いた時は

舞い上がりすぎだなと思っていたが…

陽兎の熱は冷める気配もないし

本気なんだと改めて分かった






ハルト「兄ちゃん!彼女って何?」





タツヤ「彼女?・・・・知りたいか?笑」







当時7歳の陽兎が俺に訊ねてきたから

俺はイタズラ心で教えてやった…





どうやら陽兎はあの時の俺の話を

真っ直ぐに信じて成長したらしい…







タツヤ「いよいよ逃げられねぇな…白玉…笑」








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