2月15日(金)

〈陽菜乃視点〉







ベッドからそっと抜け出し熱いシャワーを浴びながら

まだハッキリとしない頭を覚ましていく…






( 朝ごはん何できるっけ? )






予想していなかったウサギの来訪に

冷蔵庫の中に何があったかなと考えながら

シャワー室から出て鏡に映る自分の姿を見て

「ウサギのヤツ…」と呟いた…






部屋に戻るとウサギはまだ起きていなく

キッチンの小さな電気だけをつけて

オムレツを作りロールパンをトースターへと入れ

時計をチラッと見てクローゼットから洋服を取り出してから

脱衣室で着替えとメイクを済ませた






歯磨きをしながら前屈みになる自分の胸元をみて

大丈夫そうねと安心して最後に口紅を塗った






( ・・・・ギリギリはやめてって言ったのに… )






昨日のウサギは私に痕をつけたがり

見える部分はダメだと何度も言ったけれど

言う事をきかず鎖骨付近に痕をつけていた






「夜はお説教ね…」






部屋に入りテーブルにラップをかけた

オムレツとパンを置き一緒にメモを添えてから

「ぁっ…」とテーブルの下から

先日契約した書類の入った封筒を取り出しジッと眺めた…







「・・・・・・」







立ち上がって寝ているウサギの額に

軽く唇を当ててからそのまま会社に出勤し

電車の中でバックの中にある契約書と

昨日のウサギの言葉を考えていた…










ハルト「実は…ヒナに話っていうか…お願いがあって…」






「お願い?何?」






ハルト「引っ越しの件なんだけど…

  やっぱり再来年の春じゃダメかな?」






「え?」






ハルト「・・・・再来年には…俺も大学卒業するし…

    だから、その時に一緒に…住みたくて…」






「・・・・・・」






ハルト「その時に…部屋を一緒に決めて

  家具とか一緒に買ったりしたいなって…

  俺もバイトとかして…お金貯めたいし…」








2年後に私達がどうなってるか分からないし

何の確証もない話に「分かった」なんて返事も

出来なかったけれど…





ただ…あと少し…

あのアパートに住んでもいいかなと思った…





ウサギと同棲するかは別として

別れていても付き合っていても…

次の更新年に引っ越せばいいかと思った…









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