〈陽菜乃視点〉









「えっ…手作り??」






ハルト「初めて作ったから…不細工なんだけど…笑」






「ウサギがコレを!?えっ??」






ハルト「ヒナ俺のこと影じゃウサギ呼びなんだね…

  さっきは可愛いくハルなんて呼んでたのに…」







ウサギが目を細めて拗ねたような顔をコッチに

向けているけどそんな事は気にならない位に

目の前にあるウサギが作ってくれた

クマの顔をしたカップケーキに夢中だった…







「コレどうやって??」







ハルト「煌に教えてもらいながら作ったんだよ

  鼻は普通にクッキー焼いてアーモンドチョコと

  チョコペンでやったんだよ!笑」







「下のって…」







ハルト「ガトーショコラだよ

  前にヒナ好きって言ってたでしょ?笑」







「・・・・・・」






それを言ったのはパンケーキタワーを

二人で食べてる時だった…

あの日の〝うどん〟も今日のガトーショコラも…

ウサギは私と話した会話をちゃんと

覚えてくれているんだと胸がキュッとした…







ハルト「この前…ヒナを怖がらせちゃったから…」






「・・・・はーちゃん…」






ハルト「だから可愛くて甘いお菓子で

  許してもらおうかなって思ったんだけど…」






「・・・・・・」






ハルト「ダメ??」








さっきやっと唇を離したばかりなのに

もうキスがしたくなってしまうのは

私のせいではなく、このウサギのせいだ…





( ドンドンお姉さんじゃいれなくなる… )






「・・・・まだダメ…」






ハルト「まだ??」






「今日…泊まってくれたら…許してあげる…」







ウサギはリュックで来ているから

泊まる準備はしてきているはずだ…

もうそろそろウサギの体温を感じながら

目を覚ましたかった…





ウサギは少しだけ目を見開くと

直ぐにニッと笑って







ハルト「赤点ゼロだったから…

  ヒナからもバレンタインもらわなきゃね?笑」







そう言って後ろのベッドをチラッと見てから

「今日は早く寝よう」と口付けてきた…










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