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石屋タマ
はじめに
絶対に、そこで「次へ」をタップしてはいけない。
黙って何も考えずに、ブラウザの「戻る」をタップしてほしい。
「次へ」から続く道がキラキラと輝いていたとしても、幸せの青い鳥がヒラヒラと舞っていたとしても、その先にお菓子の家が見えたとしても――次など、存在しないのだから。
もしも誘惑に負けて、その道を進んでしまえば……突然、足元がガラガラと崩れ落ちて――日常が非日常に変わり――夢と悪夢が反転する――そんな現実に飲み込まれてしまうのだ。
例え、あなたが人生の行き止まりに迷い込んでいたとしていても――目指していた場所とは違う、ただの空き地に入りこんでいたとしても――幸いにも、人生にはやり直すのに十分な時間が与えられている。だから、行き止まりが即、ゲームオーバーとはならない。安心して、来た道を来た通りに戻ってほしい。
これは、昔の偉い人の格言でも、今を生きるためのノウハウ本の記述でもない。
これは、身をもって知った事実、そのものだ。
もう、元には戻れない。失ったことを、無かったことにはできない。
けれど、この身に降りかかった恐ろしい体験を他の誰かに伝えることが出来たら、同じような被害者を出さなくて済むかもしれない。それが、たとえ一人でも、過ちから逃れることができるのなら。
だから私は、起こった出来事を余すことなく、ここに記そうと思う。
くどいようだが今一度、言おう。絶対にタップしないで。
「次へ」を。
posted by Mashiro
03―31 21:44
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