第8話 かつての光
過去に私は先代教祖の補佐役をしていた。補佐役はもう1人いて、名前はアテーノと言った。対立して大喧嘩に発展したこともあれば、意見を同じくして教祖に直談判したこともある。その後何やかんやあって結婚までした仲だった。
ある日のとこだ。私は補佐役に就く以前から教会の暗部として、教祖に害を成すものを聖罰として、始末していた。だが、私の能力を認めて補佐役まで繰り上げてもらった。それでも、暗部としての仕事は割り振られ続けた。
教祖が就任して、15年も経つと彼は私欲に溺れ始めた。教祖は世襲制だったが、親が親であれば子も子である。暗部は話し合い子を殺すことに決め、私がそれを務めることになった。
毎度の如く学校まで送迎をし、帰り道に路地へと連れ、叫ぶまもなく処理した。私の魔法痕は、ひと握りの者しか分からないほど微弱な物だ。
....な、なんてことだ。ぎこちないがアテーノは現場まで行って気づいてしまったらしい。
だが、まだ終わってはいない。教祖を始末しなければ....
次の教祖は私になるだろう。私は、私だけの楽園を作りたい。そのために、、教祖とアテーノ...いや、トラキア教貴殿が邪魔だ。
私は、アテーノを自宅へ監禁した。教祖へは病気だと報告した。それ以来、私は1人で補佐の仕事をすることになった。
3年が経った頃、私は暗部のリーダーになっていた。それから1年かけて教祖暗殺の計画を整えた。
そのまた1年後、我々の教祖は暗殺され、完全に教祖の血筋が途絶え、私が教祖になった。
待ち望んだ天下がもうすぐそこだ。私は、全てを手に入れて、君とまた笑える世の中を作るよ。
「敬虔な信徒諸君、亡き教祖、並びに我が妻トラキア教の広めたこの宗派を、この国は排除しようとしている。我々は、この国に様々な幸福を呼んだのにも関わらずだ。ならば、我々は、この国にもう義理を立てる必要は無い。さぁ、この国を打倒し我々の未来を勝ち取ろうとも、立て!!不義理な円卓共に我々の強さを示し、我らの国へ作り替えるのだ!!」
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