ワンダーランドはめまぐるしく

プリシラの旦那

聖なる邪教編

〜序章〜 会議はつつがなく進む

「さて、それでは只今より円卓会議を行います。今回の議題ですが、、、、」


第一師団隊長である人間族代表のロシェは、議会の進行役だ。

いつも仏頂面で、正直取っ付きにくい雰囲気があるが、絡んでみると割と面白いやつだ。


つつがなく月に一度の種族会議も終わり、いつも通りに解散した。


この国には全部で13の種族が集まって暮らしている。


国の造られ方はとても簡単だったーーーー

1000年前に、これまでずっといがみ合ってきた13の国が、それぞれの盟主の会談によって1つの国に統合され、絶対的な君主を立てない代わりにそれぞれの自治区を持ち、月に一度定期報告をし、助け合って国を発展させるというものだ。



国造に関して、代替わりせず国政をしているのは、6つの種族だ。

巨人、龍神、淫魔、妖精、海人、そして吸血鬼

彼らは、寿命が長いか寿命という概念が存在せず、圧倒的な力で長をねじ伏せなければ、代替わりすることは無いのである。


しかも、この世界は、真祖クラスに近いほど力が強く真祖が種族の長をしている6つの種族は、代替わりすることはまず無いのだ。


そんなこともあり、代替わりの決闘を申し込まれることもまず有り得ない。俺に、決闘を申し込んでくるのはせいぜい5人。それは、自分の子供たちだ。だが、現在子供たちは遠征任務へ行っているため暫くはこちらに帰ることは無い。それでも日々退屈しないのは、妻とイチャイチャするからだ。


「ヘルミナ〜今度話があるんだ、うちまで来てね〜」


「お前からの話か、嫌な予感しかしない。また厄介事だろう?」


「も〜固いこと言わないの〜それじゃ今度来てね〜」


帰り際、第十三師団の団長に声をかけられる。彼女が、前もって予定をつける時はだいたい厄介事ばかりだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る