一匹の蝶

 一匹の蝶が空を飛んでいた。

 子ども達の手をすり抜けて飛ぶその様は正に自由だと思った。花畑でのびのびと遊んでいる彼らを見て、平和だと思った。自然に触れながら、追いかけっこを、隠れんぼを、障害物競走をしている。

 そんな彼らを遠目に眺めていると、蝶はこちらへ飛んできた。


 ちょうは泣いていた。

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