太陽のない世界へ

 太陽が沈んでゆく。最後に海も空も真っ赤に染めながら。

 夜の前のひととき。

 到底美しいとは思えなかった。


 学校の屋上から見えるその景色は私の心そのものだった。

 生きていく上で不可欠なもの。

 だけど、圧倒的な影響力を与え続けるもの。


 夜が太陽を追放して静かになった時。私も心臓を手放した。

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