幼馴染から振られてから何故か翌日になって偽装の恋人になって欲しいと申し込まれました.....は?
アキノリ@pokkey11.1
謎に謎を呼ぶ展開?
1、偽装の恋人と告白と
第1話 玉砕したのに偽装結婚の申し込みをされての告白からの?
「その.....私の家の周りだけで良いんだけど偽の恋人になって.....お願い!」
呼び出されての突然の話であった。
7月の放課後の屋上に幼馴染に呼び出されたと思ったら.....ちょっと待って。
いきなり何を言っているのだコイツは。
そもそもお前は昨日、俺の告白を振ったよな?
俺の告白を玉砕したよね?
「.....ちょっと待ってくれ.....状況が理解出来ない.....んだが!?そもそも何で俺がお前との偽の恋人にならないといけないのだ!」
「このままだと私は.....その。付き合いたくも無い男とお付き合いを前提にして結婚させられるから.....」
「え?!あくまで家の事だよな!?.....でも何で俺!?振ったばかりだろ!俺の事も嫌いなんだよな!?」
え。ちょっと待って。
マジに混乱しているのだが。
何がどうなってそうなっている!?
俺は頭の中を整理するが.....状況が追いつかない。
高校2年の7月。
17歳の俺、横長皆穂(よこながみなほ)は何でこんな目に遭っている?
意味が分からない。
「.....お願い。みーちゃん」
「いや。良いけどその.....お見合いをしてからなのか?」
「何処の馬の骨かも分からない人と付き合うなんて嫌。絶対に。それだったら.....貴方が良い」
言いながら俺に縋って来る春風。
凪山春風(なぎやまはるかぜ)。
17歳の同級生の俺を昨日振った幼馴染だ。
途轍もない美少女である.....が。
ボブヘアーに2本のヘアピンを右にしている様な、だ。
昨日振ったばかりの幼馴染が俺と付き合う?
そんな馬鹿な話が?
「分かった。付き合うよ。.....でもこの関係はあくまで偽物だよな?」
「.....そう。偽の恋人。.....だから.....その。恋人を作っても良いの。違うのはそこ。だから気を楽にして.....良いから。学校では別々同士。家では気楽。そんな感じだよ」
「.....そうか.....分かった」
あくまで俺は.....この関係は偽物と言い聞かせる。
しかし.....でも。
俺は幼馴染は本気で好きなのだが。
思いながらもその言葉は飲み込んだ。
それから盛大に溜息を吐く。
「なあ。はー。.....お前、その話って昨日出たのか?」
「そうなの。昨日出て.....私には付き合っている人が居るって答えちゃった。.....だから私の家の周りだけで良いから恋人の役目をして。お願い」
「.....仕方が無い.....」
幼馴染に頼まれてしまっては断れない。
しかも好きな幼馴染にであるが。
俺はややこしい事になったな、と思いながら後頭部を掻く。
それから盛大に溜息を吐いた。
そして俺達は屋上を後にして.....教室に戻る。
帰らないとな、と思う。
それから教室の前にやって来ると、はー、が足を止めた。
「みーちゃん」
「.....どうした。はー」
「何だか教室の中に誰か居る.....」
「.....え?結構遅いよな?時間的に」
そしてゆっくりとドアを開けてみると。
そこに.....女子が立っていた。
上靴の色が緑色の1年だ。
俺は、?、を浮かべて聞いてみる。
どちら様だ?、と。
「あ!先輩!待ってたんです。私.....先輩に用事があって」
「.....え?君誰?」
「私、長妻蜜柑(ながつまみかん)って言います。.....先輩に会いに来ました♪」
その容姿は.....その。
ちょっとチャラい感じだが.....首元のシャツが空いて。
それからネックレスが見える。
髪の毛は少しだけ染めているのか金に見える。
八重歯が特徴的な美少女だ。
かなり美少女。
ん?こんな新入生居たか?可愛いな、っていうぐらいに。
俺は、???、を浮かべながらその姿を見る。
するとその美少女の長妻とやらは俺の幼馴染に首を傾げる。
そして、お付き合いしているですか?、と聞いてくる。
俺は、はー、の顔を見てから首を振った。
それから苦笑する。
「.....いや。そんなのじゃないよ。ただの幼馴染だから」
「あ。そうなんですね。.....じゃあ良いかな。.....えっと。.....先輩」
「そう言えば君は何しに来たんだ?」
「あ。えっとですね。.....先輩への愛の告白です」
「.....そうか。.....ハァ!!!!?」
ちょ。ちょっと待って。
知り合ってからまだ20分も経ってない少女に告白を受けるの俺!?
と思っていると、はー、が、みーちゃん先帰ろうか?、と聞いてくる。
俺はその姿に、えっと!?、と迷う。
すると長妻は俺に寄って来る。
「.....覚えてないんですか?先輩。私を自殺から救ってくれた事を」
「え.....」
「.....え?」
「私、高い所から死のうとしたら.....貴方が助けてくれたんです」
少しだけ長妻は悲しげに言ってから俺をニコッとして見上げてくる。
最初は命を救った事を恨んでいました。でも先輩の事が好きだから。死なないでおいたんです。.....やっと貴方を見つけたんです。だから先輩。私と付き合って下さい、と赤くなりながら告白した。
俺は赤面する。
そして、はー、を見る。
「付き合ったら良いと思う。.....そんなの。彼女は本当に貴方を好いているみたいだよ?断ったら絶対に駄目だよ。みーちゃん」
「で、でも.....お前.....」
「.....ぜ、全力で.....やっています。.....駄目ですか?.....先輩.....」
「.....!」
潤んだ目で俺に縋って見上げてくる後輩。
え。ちょっと待って。
俺はさっき偽装恋愛を演出してくれって言われたよな?
でも俺は.....幼馴染が忘れられない。
その中での告白!?
これってどうしたら良いのだ!?
これは.....俺と偽装結婚を装った俺を好いてない幼馴染と。
俺が好きな幼馴染との。
それで始まる。
ラブコメ.....に近いラブコメ.....である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます