第122話 第1部あらすじ

第1章 追放、そして――:1話~10話



 レント。ガイ。ミサ。エル――『断空の剣』は結成5年目。Aランクに最も近い、若手最有望パーティーだ。

 彼らが快進撃を続けられたのはレントのギフト《魔蔵庫》のおかげだった。

 魔力を気にすることなくスキルを連発。強敵モンスターもなんなく葬り、あり得ないスピードで成長できたのだ。


 しかし、魔力回復の腕輪を入手したことにより、レントは用済みとばかりに追放される。

 感謝の言葉ではなく、罵倒と暴力とともに。


 追放されたレントが怒りを爆発させると《魔蔵庫》がSSSランクギフト《無限の魔蔵庫》へと進化した。

 サポート妖精のエムピーに助けられ、レントはガイたちから今まで貸してた魔力をリボ払いで【強制徴収】することに。

 『断空の剣』から離れ、時間稼ぎをするためにレントはメルバの街に移ることにした。



   ◇◆◇◆◇◆◇



第2章 メルバの街:11話~25話



 馬車で移動する間も、レントは返済された魔力を運用する。最大魔力を増やすとともに、【魔力出納】、【スキル購入】を覚えた。


 メルバの街に着いたレントは【スキル購入】でダンジョン攻略用のスキルを購入。

 しかも、【魔力出納】によってリキャストタイムなしで、スキルを連発できるようになった。

 メルバの大迷宮に潜ったレントは、第1階層のゴブリンコロニーをファイアーボール連発で次々壊滅させていく。


   ◇◆◇◆◇◆◇



第3章 出会い:26話~35話



 その後もダンジョン攻略を続け、レントは第3階層へ。

 そこでパーティーメンバーから囮にされ、本来現れないはずのクアッド・スケルトン相手に一人戦う少女リンカを救出して街に戻った。


 冒険者ギルドでリンカのパーティーメンバーが虚偽の報告を行っているところにレントが登場し、真相を伝える。それによって、彼らは犯罪奴隷落ちになった。


 この騒動の際、レントはこの街唯一のAランクパーティー『流星群』と再会。

 リーダーのロジャーから「後日一緒に飲むぞ」と持ちかけられる。


 傷心のリンカにレントは自分を重ね、パーティーに勧誘する。

 お互いギフトに苦しめられていたことを打ち明け合い、パーティーを結成することになった。



   ◇◆◇◆◇◆◇



第4章 新パーティー結成:36話~51話



 二人のパーティー名は『二重逸脱トゥワイス・エクセプショナル』。ユニークギフト持ちという例外。ギフトに苦しめられてきたという例外。という意味を込めてだ。


 パーティー結成によりレントは【自動補填オートチャージ】を習得。

 これにより債務者の魔力量をリアルタイムでモニター出来るようになり、リンカに絶え間なく魔力を供給できるようになった。


 リンカのギフトはSSSランクの《阿修羅道》。使えるスキルは【壱之太刀】ただひとつ。

 身体能力を爆発的に高める協力なスキルだが、燃費が非常に悪く、一度発動したら戦いが終わるまで、自分の意志では解除できないという欠点を持っていた。


 だが、レントの【魔力貸与】がある限り、リンカは【壱之太刀】を長時間使用可能だ。

 リンカは一人でゴブリンコロニーを殲滅できるだけの力を手に入れた。



   ◇◆◇◆◇◆◇



第5章 『断空の剣』との対決:56話~67話


 ガイたち『断空の剣』がレントを追いかけてメルバにやって来た。

 彼らはレントの狙い通りに決闘を挑む。

 『流星群』ロジャー立会人のもとに決闘が行われるが、レントの【債権者保護】により彼らの攻撃は一切効かない。レントは衆人環視のもと一方的に勝利し、ガイたちのプライドをへし折った。

 決闘の誓約によってレントの5メートル以内に近づけなくなったガイたちに「本気で返済しないと地獄を見る」と最後通牒を告げた。



   ◇◆◇◆◇◆◇



第6章 悪あがき:68話~94話



 ガイたちの最後の日は9日後。

 それまでレントとリンカはダンジョン攻略に挑んだ。

 レントは新しい戦闘スキルを購入。

 リンカはキモノ装備を購入。

 第2階層のメガアントの巣穴を二人の連携で、いくつも壊滅。


 順調に攻略を続けるレントたちに対して、一方のガイたちは散々であった。


 レントにボコボコにされた治療費を支払うためにギルドに借金し、手持ちの資金はわずか。

 他の冒険者にレント襲撃を依頼しようとしたが、逆にひどい目に合わされる。

 それを知ったレントは誓約を利用して嫌がらせ。三人は死ぬほどの痛みを味わうことに。

 それでもミサはレントに色仕掛けで迫るが、まったく相手にされない。

 最後の手段としてダンジョンで稼ごうとするが、装備は壊れ、死にかける。レントの影からの助けがなければ死んでいただろう。

 ここに至ってようやく三人でレントに謝罪するが、当然ながらレントはスルー。

 三人は魔力回復ポーションを限界量以上にがぶ飲みしなければ間に合わなくなった。



   ◇◆◇◆◇◆◇



第7章 運命の日:95話~111話


 『断空の剣』破滅の当日。


 レントとリンカは第4階層に挑んでいた。

 クアッド・スケルトンと戦うためだ。

 リンカは一人で倒し、過去と決別した。


 そして、この日はレントが過去と決別する日でもある。

 破滅へのカウントダウンを迎える中、レントはエムピーからユニークギフトに関する重要な話を聞く。


 ――SSSギフト。その意味は『Stigma of Seven Sins』すなわち、『七罪の烙印』。


 ――レントの《無限の魔蔵庫》が示す罪は『強欲』。


 ――リンカの《阿修羅道》が示す罪は『憤怒』。


 ――SSSギフト保持者が他にも存在すること。


 ――SSSギフト保持者を乗っ取ろうとする内なる獣の存在。


 ――ギフト保持者には2つの道がある。呪われた道と他人を信じて進む道。


 ――中央情報機構ユグドラシルの正体は創世神ユグドラシル。成人の儀でギフトを人々に授ける創世神こそがユグドラシルであった。


 ――過酷なリボ払いでの取り立てが可能だったのは、創世神が許可したから。


 これらの情報をもとに、レントは決心する。


「ああ、俺は誰かを助けるために魔力貸しとして生きていく。だけど、ただ甘いだけじゃない。こちらを裏切るようなヤツは容赦せず、取り立てる。それが俺の生きる道だ」


 この思いを胸に、レントの新しい生活が始まる――。


   ◇◆◇◆◇◆◇


 一方、『断空の剣』は、5日間魔力回復ポーションをがぶ飲みしなければならない状況で、三人はバラバラになり、パーティーは空中分解。

 そして、誰もノルマを満たせないままタイムアップ。すべてを失うことになった。

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