【2/9コミックス2巻発売】貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収〜パーティー追放された俺は、可愛いサポート妖精と一緒に取り立てた魔力を運用して最強を目指す。限界まで搾り取ってやるから地獄を見やがれ〜

まさキチ

第1部

第1章 追放、そして――

第1話 パーティー追放宣言

飯島しんごう先生によるコミカライズ、2巻発売中!


   ◇◆◇◆◇◆◇


「レント、今日でオマエを『断空だんくうつるぎ』から追放するッ!!」


 拠点にしている宿屋で言い放ったのは、パーティーリーダーであり、幼馴染でもあるガイだ。


 『断空の剣』――剣士であるガイが名付けたパーティー名。


 ――いずれは空をも断ち斬る剣となる。


 いかにも子ども染みたネーミングだけど、今より若く、仲が良かったあの頃は、それも微笑ましく思えた。


 だが、パーティー結成から五年がたち、冒険者として成長した今――俺と他の三人との間には修復不能な深い溝が出来ていた。


「本気で言ってるのか?」

「ふっ」


 ガイが人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべる。


「オマエはもう用済みだ。目障りだから、俺たちの前から消え失せろッ!」


 用済みか……。

 悔しいが、その言葉は否定しきれない。

 俺の《魔蔵庫》は、ガイたちにはもう必要ないだろう……。


 十五歳になると創世神からギフトを授かる「成人の儀」。

 同じ村で生まれ育った俺とガイ、そして、将来を誓い合った恋人のミサ。

 俺たち三人は冒険者になるべく村を巣立ち――大きな街の教会で儀式を受けた。


 ガイは《剣士》。

 ミサは《魔術士》。


 二人が授かったのは、レアなギフトではなかったが、冒険者にピッタリのギフトだった。

 一方、俺が授かったのは――《魔蔵庫》という聞き覚えのないユニークギフトだった。


 ユニークギフト――世界で一人だけのギフトだ。

 どれもが強力で、授かれば冒険者としての成功が保証されたようなものである。


 ご多分に漏れず、《魔蔵庫》は破格のギフトだった。

 少なくとも最初の一、二年は……。


「もっと早く切り捨てても良かったんだ。今までパーティーに残してやっただけでも感謝しろッ!」


 両側に女を侍らせたガイが吐き捨てる。

 右側はもう一人のパーティーメンバーである《回復師》のエル。

 そして、左側には小さい頃から一緒に過ごした元恋人のミサ。

 彼女は俺のギフトがお役御免だと見切りをつけると、将来を誓い合った俺から、いとも簡単にガイに乗り換えたのだ。


 今では二人ともガイの女で、甘えるようにガイに媚を売る。

 三対一で向かい合っているという今の状況が、パーティー内での俺の扱いを物語っていた。


「レントさんはもっとお似合いのパーティーがありますよー。サヨナラですー」


 笑顔で告げるのはエル。

 その笑顔が向けられているのは俺ではなくガイだ。

 俺の方なんか、一度も見やしない。


 出会った頃は世間知らずの箱入り娘だった。

 考えなしで仕切りたがりなガイの性格を、引っ張ってくれる男らしさと勘違いした彼女は、鳥の刷り込みのようにすっかりとガイに惚れ込んだ。


「アンタみたいな無能が幼馴染で元婚約者だと思うとヘドが出るわ。二度と視界に入らないで」


 俺と愛の言葉を交わし合ったのは遥か昔。

 今ではガイをエルと取り合う関係。

 俺とのことは「過去の汚点だ」とまで言い切った。


「…………そうか。そこまで言うんだな」


 三人の侮蔑の視線に、俺は血が滲むほど拳を握りしめた――。




   ◇◆◇◆◇◆◇


【後書き】


 はじめましての方は、はじめまして。

 ご存じの方は、毎度ありがとうございます。

 まさキチと申します。


 リボ払いや借金で苦しむ人が一人でも減ることを祈って、本作を執筆いたしました。

 元パーティーが返済地獄に堕ちる姿を見ながら、リボ払いの恐ろしさも知っていただければと思います。


 リボ払いは借金と同じです。

 「ちょっとだけ」その一歩が地獄への入り口です。

 本当に困ったとき以外は、利用しないことを強くおすすめします。


【重要】


 借金返済の悩みを抱えている方へ。


 無料で相談できる公共機関や、法律事務所など民間団体が行なっている無料相談があります。

 「借金 相談」で検索すれば、簡単に見つけられます。

 ひとりで抱えるのではなく、まずは専門家に相談してみて下さい。


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