第6話
「騎士団長が私に何の用でしょうか??」
ギルド長が連れてきたのは数人の騎士達であった。
騎士団長ルーカスがギルド長に言った。
「ふむ実はな多くの住民達から訴えがあってな。金品を力づくで凶悪犯によって奪われたというのだ。それによって多くの怪我人も出ているのだ。」
「ほう、そんな凶悪犯がいるのですか??まったくけしからん奴ですな。」
「それで住民達は口を揃えてこう言っているのだ!!!ギルド長フレイドに力づくで奪われたとな。」
「誤解でございます。私は誠実をもっとーにして生きてまいりました。」
「では、そのような事実はまったくないと??」
「はい事実無根でございます。」
「では今日一日ギルド長フレイド殿を監視させてもらう事とするが。よいかな??」
「ええ構いませんよ、私の誠実さを証明できると思います。」
こうして騎士達の監視がギルド長につく事になった。
そんな事はお構いなしにギルド長はいつも通りふんずりかえっていた。
そしてギルドの金庫を開けてぼやくのだった。
「今月も金庫のお金が全然足りないな。」
するとギルド長がミリアーナに言った。
「少し出かけてくる。」
騎士団長のルーカスがギルド長に聞き返す。
「ギルド長どちらに??」
「融資を頼みにいくのです。」
「なるほど、ではご同行いたしますので外で少しお待ち頂けますかな?」
騎士団長のルーカスが部下の騎士達に指示を出していた。
「私がギルド長に同行する。その間に冒険者やギルドスタッフからもギルド長について話を聞いておいてくれ?」
「分かりました。」
するとギルドの外が急に騒がしくなるのだった。
キャー 逃げろ !! 助けてー!!
そんな声が外から響いてくるのだった。
「なんだ??急に外が騒がしくなったぞ??」
「すぐに外に出るぞ!!」
騎士達が外で見たのは通行人から無差別にお金を巻き上げているギルド長の姿だった。
「お金が足りない!!有り金全部を置いていけ!!!」
「ヒエー、助けてくれ!!」
「有り金全部置いていけ!!!さもないと氷漬けにするぞ!!!」
「キャー!!!」
「おい!!!逃げるんじゃねえ!!!有り金全部置いていけ!!!」
町の人々はフレイドから逃げ回り混乱状態にあった。
すでに通行人の数人が氷漬けにされていた。
騎士団長が慌ててギルド長を制止した。
「何をしておるのだ??貴様は!!!」
「融資をお願いしているのです。」
「通行人からお金を巻き上げてるだけだろうが!!」
ギルド長が自信満々に騎士団長のルーカスに言った。
「私は人に後ろ指さされるような事は一切やっておりません。」
騎士団長がギルド長を一喝する。
「どこがだ!!後ろ指を指されるような事しかしてないだろうが!!!」
「騎士団長様、なぜ分かって頂けないですか??」
「言ってる事とやってる事が全然違うだろうが!!」
「ここの冒険者ギルドは非常に評判が良かった。なのに今はその評判は見る影もない。こんなにも唐突に変わってしまった理由がよく分かりました。ギルド長あなたが赴任してきたからですね。」
「ヨロズ殿は本当にいい方であったのに、ギルド長であるあんたは愚かにもヨロズ殿を追い出した。それでこの冒険者ギルドはどんどん評判を落としていった。それをギルド長であるあんたは理解していないのか??」
「ヨロズこそが邪悪で無能者なのです。奴こそ害悪だったのですよ。」
「フレイド、貴様はギルド長であるくせに救いようがないほど愚かな男だな。」
「ヨロズ殿も大変だったであろうな。お前のようなイカレタ奴のおもりをしなければならなかったのだからな!!!」
「ギルド長フレイド!!貴様を窃盗の現行犯で捕縛する!!!」
「お待ちください、これはきっと何かの誤解です。」
「我々の目の前で堂々と人々からお金を巻き上げておいて何を言ってるんだ!!」
するとギルド長が大声で叫んだのだった。
「くうー、こうなったら!!」
ヨロズの視点
俺は市長の内定をもらってすぐに新しい町の設計を始めていた。
自宅で魔法地図を広げてミルティとセリーヌそしてリゼルと共に町の計画を話し合っていた。
俺はミルティに言った。
「ブレール川から水路をひいて町の中心部に水路を作ったらいいんじゃないかな。」
「町の中心に川を通して水路として利用しようという事ですね?」
「うん水源としてだけでなく水路としても利用できるし、町の美観も上がると思うんだ。」
「どうかな?」
「すばらしい考えだと思います。」
俺はセリーヌに言った。
「町の中心部には魔導噴水や映像を映しだせる大型の魔導鏡(まどうきょう)を設置しようと考えてるんだ?」
「うん、幻想的ですごく機能的な街になりますね。さすがわヨロズ様です。」
「ありがとう。」
リゼルが言った。
「ヨロズ様??お客さんが来てるよ??」
「誰だろう??」
俺は玄関へとやって来た。
玄関にやってきた人物を見て驚いた。
ライラにクリスそれにミリアーナだったからだ。
「ライラにクリスじゃないか?聖都にいたんじゃなかったの?」
「ヨロズ様、お久しぶりです。」
「ヨロズ様、お会いできてうれしいです。」
「私達ヨロズ様と一緒にお仕事したくて冒険者になったんです。」
「はい、それでメルスターの冒険者ギルドに行ったんですが、ヨロズ様はおられずに代わりに頭のいかれたギルド長がいたんです。そして私達を無理やりギルド登録させたんです。」
「それで私達逃げてきたんです。」
「ミリアーナもギルド長が嫌で逃げてきたのかい??」
「ええその通りなんですがヨロズ様にお伝えしなければならない事があるんです。」
「なに??」
「あのいかれたギルド長がついにやってしまったんです!!」
「やってしまったって何を??」
「騎士団長を含めた10人の騎士をあいつが殺してしまったの!!」
「なんだって??」
「それ本当なんですか??」
ライラとクリスうなづきながら言った。
「私達も騎士達の遺体を隠すのを手伝わされました。それでギルド長のフレイドの奴ヨロズ様に罪を擦り付けようとしています!!」
「ミリアーナはそれを伝えに来てくれたんだね。ありがとう。」
ミリアーナは顔を真っ赤にして俺に言った。
「ヨロズ様、とんでもないです。当然の事をしただけです。」
ライラとクリスそしてミリアーナが俺に尋ねてきた。
「ヨロズ様を頼りたいんだけど?ダメかな??」
「うーん??セリーヌ??ミルティ??どうだろう??」
意外にもセリーヌとミルティはこう言った。
「私は構いませんよ。」
「私も構いません。」
「セリーヌ、ミルティありがとう。」
「それじゃあ空いてる部屋を使って。」
「やった!!」
「ありがとうございます!!ヨロズ様。」
「やったー、ヨロズ様と一緒に暮らせる。」
「うんこれからよろしくね。ライラ、ミレイラ、それにミリアーナ!!」
「とはいえギルド長が今晩にもヨロズ様に罪を擦り付けにくるはずです。」
「うん、ギルド長と雌雄を決する時がきたみたいだな。」
「みんな頼みたい事があるんだけどいいかな??」
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