第5話
一方 ギルド長の視点
ギルド長は今日も冒険者ギルドでふんずりかえっていた。
するとそこに姉妹の冒険者がギルドの登録にやってきたのだった。
妹の冒険者がライラで年齢は14歳であった。
赤髪のロングヘアーでスレンダーなスタイルであった。
姉の冒険者がクリスで年齢が17歳であった。
灰色のショートヘアーで抜群のスタイルだった。
ライラとクリスが窓口にやってきた。
「すいません、ギルド登録に来たのですが。」
するとギルド長が対応に当たったのだった。
「おお、では私が対応してやる。まず冒険者として大事な事を教えしよう。最近は勘違いしている者も多いからな。」
「冒険者として大事なものは何だと思う??」
「仲間との絆ですか?」
「違う。」
「最強スキルを磨く事ですか??」
「違う。」
「もっと大事な事だ。」
「もっと大事な事って何ですか??」
「それはこのギルド長たるフレイド様を崇拝する事だ。いついかなる時もこのフレイドを尊びこのフレイド様の為に進んで心と体を捧げるのだ!!ギルドで報酬をもらえるのも大地の上に立っていられるのもこのギルド長たるフレイドのおかげなのだ。それをちゃんと理解しておくように!!」
「はあっ??」
「これが冒険者としての心得だ。基本中の基本だな。これを忘れては冒険者として生活していくことなどとてもできないだろう。」
するとライラがギルド長に尋ねた。
「あのう??ヨロズ様はいらっしゃらないんですか??」
「ヨロズはクビにした。」
「ええっ??もうヨロズ様いないんですか??」
「ああそうだが??」
「だったら登録はいいです。」
「うん、ヨロズ様がいると思って来たのにね。」
「ヨロズ様がいないなら登録しなくてもいいよね。」
「こんなイカレタ奴がギルド長やってる冒険者ギルドなんかこっちから願い下げだし。」
「まあヨロズ様がいるなら登録しちゃうけどね。」
「そうだね、いっそヨロズ様の所に行くのもいいかもね。」
「そうだね、でもヨロズ様は今どこにいるんだっけ??」
「確かヨロズ様マテウス森林に住んでるって話だけど。あっそうそう!!そういえばヨロズ様が世界を救ったらしいわ。」
「すごい、本当??」
「なんか総大司教様から新しい町の市長を任されたんだって!!」
「すごーい。できる人だとは思ってたけど、ここまでなんてね。」
「ヨロズ様はすごい人だよね。」
「だったら私達もヨロズ様の所に行きましょうよ。」
「そうだね、ヨロズ様の所に行こうか??」
するとギルド長がカンカンでクリスに怒鳴りつけた。
「おい!!適当な事を言ってるんじゃねえぞ??ヨロズがそんな活躍するわけないだろうが。」
「いや実際そう聞きましたし。」
「ヨロズは無能者だ。何もできない愚か者なんだ。そこを理解しておけ!!!」
クリスがギルド長に反論した。
「命令しないでください。もう私達このギルドには登録しませんから!!!」
「ダメだ、そんな事は認めん!!!もうお前達はこのギルドでこのギルド長たるフレイド様に尽くす事が決まったんだ!!!絶対に逃がさんからな!!!」
するとミリアーナがギルド長に言った。
「フレイド様お客様がいらっしゃいました。外にてお待ちになられています。」
「ああ、分かった。」
ギルド長が外に出て行くとミリアーナがライラとクリスに話しかけてきた。
「お二人ともこのギルドに登録などしてはいけません。」
「あなたは??」
「私この冒険者ギルドで働いているミリーアナと申します。」
「なんでこの冒険者ギルドに登録するのはダメなんですか?」
「実は昨日私の家にドロボウが入ったんですけど??」
「えっ??ドロボウが??」
「それは大変でしたね。」
ライラとクリスがミリアーナに同情したのだった。
「実は私そのドロボウが家から出てくるのを目撃してたんですけど、出てきたのは誰だと思います??」
「誰が出てきたんですか??」
「ギルド長のフレイドが出てきたんです。」
「ええ??」
「それで私が今日朝ギルドにやってきてギルド長がなんて言ったと思います。」
「なんて言ったんですか?」
「よくなあんな趣味の悪い下着を身に着けられるもんだな??センスのカケラもない!!!私が金目の物と一緒に全て盗んでおいてやったからな!!ありがたく思えよ!!」
「えっ??それミリアーナさんが問いただしたんですか??」
「違います、朝一番でギルドに来たらギルド長が開口一番でそう言ったんです。」
「信じられない!!!」
「それでギルドのみんなで話し合ってここを逃げようって話しになってるんです。」
「そうなんですか?」
「今夜一緒に逃げませんか??」
「はいもちろん逃げます。」
「ただどこに逃げるかがまだ決まってなくて。」
「それでしたら一緒にヨロズ様の所に逃げましょう。」
「ヨロズ様の所ですか、そうですね。私もヨロズ様の所に行かせて貰います。」
するとギルド長がお客を連れてギルドの中に入って来たのだった。
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