はす向かいの面の男
無垢の机にテーブルクロス。
白いお皿にプレーンドーナツ。
少しフニャっとして見えるのは、水が多めの失敗作か。それとも揚げずに焼いているのか。
白いお面の長髪男性。ワックスの効いたオールバック。
姿勢崩さず、グラタン掬って、口に運ぶ。
すると、だんだん右目が爛れていって、溶けたそこは暗闇に。黒い炎が揺らめいて、奥の瞳が黄色く光る。
左目こっそり私が掬うと、ポロっと取れて、ぐにゃっと落ちた。取れた目玉は食べぬまま。動じぬ彼はグラタン食べる。
私のお腹がギュルギュル鳴った。
「それもいいけどドーナツ食べたい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます