▼『ヤングエンペラー』

（約九万字）

　中国史モノを広く手掛けておられる、ははそしげきさんの作品です。

　後に天下統一を成す秦（しん）の始皇帝こと、秦王・嬴政（えいせい）の少年時代の物語です。

　秦が趙を打ち破って戦国七雄の頂点に躍り出た「長平（ちょうへい）の戦い」で戦死した四十万趙兵の呪いを一身に受けた嬴政は、方術修行を経て、天下の民、そして散っていった霊たちを安んじる決意を固めていきます。

　悪霊となった霊魂たちが出てきたり、戦神と呼ばれた秦の将軍・白起（はくき）が嬴政少年の守護霊として活躍したり、オカルト伝奇の色も濃い一方、呂不韋（りょふい）を始めとする当時の秦国での政争もしっかり描かれています。

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