メトロ

白梅

「君」

1

男子の女子の好みって二手に分かれるな…。

無論俺は清楚系派だが。

いくらギャルでもとても短いスカートを履けなくなるほど気温も下がってきている。

そんなくだらないことを考えるようになった季節になった。

この通勤列車の振動、通学途中のjk達の話し声、窓から差し込んでくる暖かな日差し、この季節ならではの心地よい風。

全てが平穏で何気ない日常である。

少し眠くなってきた。


職場の最寄り駅までは少し時間がある。

ちょっと一眠りでもしよう。


ーーーー目が覚めると、知らない場所にいた。


「どこだここ…」


ただ、中学・高校の同級生、幼馴染、そして職場の同僚 知り合いの両親までいる。

俺の知り合いはみんないる。

…いや、一人だけいない。

「君」だけここにはいない。


周囲を見渡した結果、ここが何かのパーティの会場であることが分かった。


おそらくは、結婚式の後のパーティであることも

とりあえず周りに状況を聞くことにしよう。



ねぇ、みんな


声が出ない。

いや、声が出ないというよりかは喉に何かつっかえているような感じがする。

声が出ないのでもちろん誰もこちらを見てくれない。

そこに誰もいないかのように。

この感覚はなかなか堪えるな…w。

そうこうしてるうちに周りが少し盛り上がってきた。

どうやら新郎新婦のご登場のようだ…。


思わず目を疑ってしまった。

なぜなら登場してきた新婦は、「君」だったから…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る