第3話 家族会誕生!!

 こんばんは。本日は、夜更けにこうして執筆をしています。

さて、前回からの話の続きです。


 年明け早々、長男からの父親の癌告知を貰い、少なからずショックを受けていましたが、非常なもので心の奥底で(ああ、やっぱりね)という、思っていた通りの(とは言っても、癌だとは思いませんでしたが)結末に落ち着き払っていた私です。


 と言いますのも、娘の私がいうのもなんですが父親は、大変我儘で、自分に甘く、自分以外の人間には厳しい性格の持ち主だからです。

(冷静に文章で書くと、こりゃかなりの人でなし(苦笑)ですね。。。)

 オマケに嗜好品は所構わず嗜み、糖尿病を若い頃から患っていた(それも、遺伝や免疫の異常から来る1型糖尿病ではなく、食生活の不摂生からくる2型糖尿病でしたからね)ので、年齢も考慮して遅かれ早かれいずれ、変調は来すだろうと予想はしていました。


 そのくせ、医者に色々忠告されるとバツが悪いのか小心者の部分もあり、糖尿の定期検診(インスリン投与もしていましたので)などは、必要最低限しかやってこなかったので、薄情かもしれませんが、自業自得としか言いようがないのです。


 それよりも、私が気になったのは、即入院が決まった父親の入院手続きや保険のことや、高額医療についての行政への申請でした。(意外と、手続きって色々ありますし、入院費の一時金納入や、手術などの場合は同意書など、書面上のやり取りが結構ありますよね。)

 普通でしたら、配偶者である母親がやらなくてはいけない事でしたが、仲の悪い夫婦です。父親が定年し、子育ても一通り終わり、時間は山のようにあったと思いますが、そのような会話は一度もやっていなかったらしいので、父親の預金通帳すら、どこにあるか知らなかったそうです。


 なので、地元にいる長男が、父と話しながら(それも、コロナ禍で対面で話ができなかったので、携帯で)一つ一つ対処して行ったらしいので、頭が下がる思いです。

 ちょうど、コロナ禍で病院も面会不可、患者の近親者に至っては1名のみ受付後の対応という、緊迫した状況の説明があったにもかかわらず、母親に至っては用もなく病院の患者病棟に入ろうとして、看護師に注意される始末。。。


 散々、振り回された愚痴と病状報告を聞かされ、そんな中にも帰れない状況でしたので、せめてもの気持ちで(勿論、面倒事を対処する弟に対してと、入院が長引けばそれなりの雑費も掛かってくるだろうと思い)見舞金を用立てる話もしました。

 金額は、五十万。多くはありませんが、あの我儘な父親の頼み事を引き受けるだけでも大変だし、長男だって働いているので、休日にそれらをしなくてはいけないので、ストレスも溜まるだろうと思ったのです。 勿論、長男は、いいよと断りましたが姉として、(長子として)何もできない状況だからと強引に送る手配をしていました。


 そんなやりとりをLINEで、(お互い仕事や、家事や、子供の世話などありますので)報告しあっていましたが、これは三兄弟いつでも‘報告、連絡、相談‘を見れる場所を作ろう!という結果になり、LINEのトークグループに‘家族会‘が三兄弟の中で設立したわけです。

又、長男と次男もそれぞれに、一律五十万を用立てる話が進み、合計百五十万円新しく作る通帳に振り込み、父親に関する雑費をそこから用立てることも決まりました。

 本当に、スマホでこういうアプリができて便利だなあと思いましたし、又

年賀状やそれぞれの子供のお祝い事ぐらいの連絡しかしない兄弟間でも、短期間でここまで結束出来るんだなあと思うと、不謹慎ながら嬉しく思う気持ちもありました。


 そんな中、父親の大腸癌の手術後、病院からの一時帰宅が認められ(入院中も、食事が気に入らないと我儘MAX、着替えを持って来いと、見舞いを禁止している病棟に母親を呼びつけたりしていたので、病院からも呆れられていたそうです)自宅に戻った翌日に、体調が急変してそのまま父は死去しました。


 二月二十一日、日曜日の午後長男から連絡を受けた私は、急いで実家への帰省のため飛行機のチケットを購入しました。

 





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