第4話 はしゃぐ母と項垂れる長男
翌日、2月22日(月)快晴。私は成田発の福岡行きの飛行機で帰るため成田空港に向かいましたが、余りの閑散とした空港内にビックリしました。
まるで、映画の世界に紛れ込んだ錯覚に眠かった目もさめました。成田空港は、国際線と国内線併設されていますが、国際線の発着ターミナルの電工掲示板は、"CANCELL"の文字ばかりで、だだっ広いエリアは人が見当たらない位、静寂に満ちていました。
改めて、コロナウィルスが世界的に広がっているのを実感しました。
さて、昼過ぎには地元の福岡に着き、それから電車に揺られる事、一時間。 最寄りの駅まで長男が車で迎えに来てくれていました。
「大変だったね。」
と、労うと
「親父の事は仕方ないけど、母さんが…」
と、深い溜息。
「お母さん、喪服着るって言ってたけど、、、私一応着物の小物(帯締めとか)持ってきたけど。」
「今日は朝からそれで、はしゃいでいたけど、どこに何があるかわからないから俺に聞くし、俺は葬儀社と通夜の話し合いでそれどころじゃないって。しかも、通夜と葬儀のお経を読んでもらうお坊さんを、全然違うところから頼んでたみたいでその断りを入れたりで、、、俺恥かいたよ。」
と、早くも疲労感漂う弟、、、。
我が家では、一応先代より馴染みのお寺(彼岸や盆などに、お経を上げてもらっていた)があるのに、全く違うところに頼んでいて、たまたま狭い地域なのでお寺関係の横の繋がりから、我が家には代々繋がっているお寺がありますよと、頼まれていたお寺の住職から電話があったそうで、急遽馴染みのお寺に通夜と葬式の打ち合わせをしたりでバタバタだったとの事。
又、コロナ禍の最中だったのでもう家族葬にすることにし遠方の親戚などには報告しないとか、いろんな線引きをしたりで、気苦労が絶えなかった様子、、、。
とりあえず、通夜や葬式を行うセレモニーホールが、実家の近所にありそこは、寝泊まりも可能で貸切にしてもらえたので、そこで当日遠方から来た
私や次男は泊まることにしました。
会場もこじんまりとしていますが、設備も整っていて、ひとまず準備は万全、滞りなく進むことができました。
本当に、長男には感謝の一言では済まないくらいでした
嫌いな女について リノベ和香 @rinobewaka
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