ギルドにお立ち寄りの際は、王都表通りギルド横、デニスの雑貨屋をどうぞ御贔屓に。

たもん

 登場人物紹介

〈デニス雑貨商に関わりのある登場人物〉


「デニス」

 主人公。王都中央通りギルド横(の路地に入ったところ)で雑貨屋を営む20代後半の男性。ブロンドの髪を短めに生やした中肉細身の素朴な背格好をしている。

 そこそこの規模の農家の次男であったが、成人を機に自立。仕事を探してやって来た王都で雑貨屋を営む先代に拾われ、商売のイロハを学んだ。

 店主の引退に合わせて店を継がせてもらった幸せ者。

 

 基本的に楽観主義者であり、いつも「どうにかなるさ」と構えている。


「ユリア・ギルフレッド」

 バイト少女その1。王立高等学校の初等部に通う16歳であり、王国内でも屈指の豪商の四女。短く切り揃えた黒髪にすらりとした長い手足のスレンダーな体つきをした少女。

 高校への進学を機に下宿先のアパートに隣接していたデニス雑貨商でのアルバイトを始め、今年で2年目となる。 

 持ち前の明るさと父親譲りの商才でもって本日も店の売上に大いに貢献している。


 そんな彼女にも、とある『目標』があって…。


「レオナ・ティンクトム」

 バイト少女その2。ユリアと同じアパート、同じ高校の同じクラスだったことがきっかけで友人となり、彼女に誘われるままに雑貨商で働き始めた。が、けっこう物臭な性格のため勤務態度はあまり褒められたものではない。

 中流騎士の家の長女で、兄と弟を差し置いて溢れんばかりの剣才に恵まれた。その実力を買われ、デニスが行商に出る時の護衛としても活躍している。

 ウェーブのかかった茶髪を肩にかかる程の長さまで伸ばした眼鏡っ娘。鍛えているためにその体は程よく引き締まっているが、胸部のみ年齢にはそぐわない発育を見せている。


「ゴルドン・トリアス」

 常連客筆頭。筋骨隆々の体にスキンヘッドが特徴の中年の傭兵で、デニスとの付き合いは相当長い部類に入る客の1人。傭兵ギルドに籍を置く傭兵団『戦狼の牙』に所属しており、団内でも指折りの実力者。そのため王国軍をはじめとした様々な組織で名の知れたスゴい人…らしいのだが、その割にはよく主人公の店で駄弁っており、偉いのか暇なのかよく分からない人物。


「アカツキ」

 極東の島国、『ワ』出身の20歳の女性で、デニスが世話になっている行商人兄妹の妹。基本的に王都に留まっていくつものギルドの仕事を掛け持ちしており、たまに、王都にやって来る兄アサヒの仕事を手伝うこともある。仕事柄、噂話には詳しく、様々な噂話をデニスに持ってくることが多い。

 濡れたような黒髪を腰まで伸ばし、ギルド指定の空色のジャケットとタイトスカートを愛用している。身長はレオナよりも少し高いくらいで、デニスの周囲の女性の中では最も長身。


「アサヒ」

 ワ出身の行商人でアカツキの5つ上の兄。デニスの店に昔からワ国由来の品々を納品しているお得意先でもある。ワ人特有の黒髪に健康的に焼けた褐色の肌。笑顔の時に輝く快活な白い歯が印象的な好青年。


〈勇者に関わりのある登場人物〉


「ホウショウ・カケル(鳳祥翔瑠)」

 異世界ニホンからやって来た転移者。衝突の絶えない隣国『イムカ連邦』との関係を解決するべく、ベルトルク王国第一王女が行った勇者召喚の儀式によってこの世界に呼び寄せられた。しかし、彼が持っていたスキル“収納空間ストレージ”は比較的平凡なものであり、失望を露わにした王国首脳部に「数週間の条件付きでその実力を示せ」、と沙汰を出された上で追放される。

 カケルは身勝手な王国の貴族達を見返すべく、召喚の時に知り合った少女、リンと共に冒険者としての一歩を踏み出した。

 年齢は十五歳。黒い短髪に黒い学生服の少年。背丈は背の順で言えば前から数えた方が早いくらい。人当たりの良い性格のためか誰とでもすぐに仲良くなれる反面、理不尽な仕打ちには徹底的にやり返してしまう年相応な面も持っている。


「リン」

 この世界に呼び出されたカケルに最初に出会い、以来旅を共にすることになる最初の仲間。極東の島国『ワ』出身だが、とある魔族の血を引いているためにショートカットのその髪は美しい銀色をしている。年齢は14歳で、体格も年相応に小柄。魔術師見習いではあるが、初級冒険者程度の経験と知識は持ち合わせている。

 大人しい性格で前に出るのは苦手な方ではあるが、必要に迫られた時の決断力、実行力はしっかり持っており、いざという時に頼りになる存在。


「アリシア・リットルオ・バルトロワ」

 ベルトルク王国5大貴族の一角、バルトルク家の当主代行にして、衛郭騎士団団長(いわゆる近衛騎士団)を務める武人肌の女性。名家の令嬢と言う肩書きに寄ることなく、実直な努力によって王立大学を首席で卒業した彼女を、その能力からも人柄からも慕う人間は多い。母校である王立高校にはよく指導に行っており、剣技において才覚を発揮しているレオナを特にしごいて可愛がっている。

 年齢は23歳。王族特有の金髪をポニーテールにしてまとめており、動きやすい乗馬ズボンを好んで身に着けている。

 誤って王都のど真ん中に召喚されたカケルを迎えに来た人物であり、以来公私に関係なく親しい付き合いをしていくようになる。


「リリアン・ミレーヌ・ベルトルク」

 現ベルトルク国王の実子にして長女。実質的な後継者にあたる姫君。弱冠12歳にして既に指導者として活躍しており、王国首脳部を宰相派と二分するほどの影響力を持っている。

 争いによって疲弊する国民を憂いた彼女が勇者召喚の儀式を行い、カケルをこの世界に呼びよせたことが全てのきっかけである。

 ベルトルク王族特有の豪奢なプラチナブロンドの髪に意志の強そうな碧眼を持った美しい少女。


「カール・ファン・ビルトルク」

 ベルトルク王国の宰相を務める中年の男性。実質的に王国を動かしている人物であり、の表裏両面に精通している。

 既に白髪が混じり始めた短髪を後ろに流して固めた強面の男性で、その性格は極めて冷徹。勇者カケルの平凡な能力を非難し、無理難題を押し付けて実質的に追放した張本人でもある。


「ヨミ」 

 王国の暗部に所属するシノビ(くノ一)。密偵、潜入、暗殺等、王国の後ろ暗い物事に深く関わっている。その腕は超一流。また、水と風の魔法も達人級である。仕事中はあまり喋る方ではなく、反応も素っ気ない。王女暗殺任務にて勇者と遭遇し、以来、何かと関る機会が増える。後に正式にパーティ加わり、最終決戦でも活躍する。ハーレムに加わるかは分からん。

 黒く短い髪をまとめている。身長は153㎝と小柄。『アカツキ』をはじめとする変装では、シークレットブーツや、パッド、メイク、演技などを(かなり必死に)駆使している。

 その正体は、ワノクニの第一皇女で、その身分を伏せて王国の暗部に潜入している。年齢は14歳。その狙いは、万が一ワノクニに政治的危機が迫った時の保険。王国の暗部をよく知る人間がそれなりの地位の人間であれば、王国も下手に動けないだろう、という感じの。また、『アカツキ』もヨミの変装した姿。王都下での情報収集が目的だったが、その過程で関わることになった、デニスらとの関係、その居場所が心地よく、少し関わり過ぎてしまっている。


「イゾルデ」

 カケルとリンが受けた魔獣討伐任務クエストで出会った冒険者の女性。窮地に陥っていた彼らを救い、彼らに冒険者に必要な基礎を教えてくれた人物。

 屈強な体は冒険者らしく日に焼けており、背負った魔剣に火属性の魔術を纏わせた剣技を使う。

 表向きは先輩冒険者としてカケル達を指導しているようだったが、彼らに近づいたのには別の目的があるようで…?

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