第6話 この世界、滅びんのかよっ!?
フレアからその言葉を聞いたあと、弦人はしばらく固まっていた。
あれ、単語の覚え間違いかな?
それとも、構文の理解が違ったかな?
弦人は、フレアの言葉を一言一句繰り返し、意味を解読する
「コノ世界ハモウスグ滅ビル......
コノ世界ハモウスグ滅ビル......
コノ世界ハモウスグ滅ビル......
ッテ、エエエエエエェェェェェェッ!?」
言葉の意味を改めて理解し、弦人は絶叫した。
「ホントナノカッ!?」
「本当よ」
「ナンデ!?」
フレアは絶望しきった表情でこの世界の現状を語った。
「この世界では......数十年前から......子供の数が減り、老人の数が増えているの」
「イヤ、少子高齢化カヨ!?」
思っていた展開と違って、弦人はすかさずつっこんだ。
「異世界から来たゲントには、これがどれほど恐ろしいことかわからないのよ!ほんの数十年前までは、生産年齢人口12人あたり1人の高齢者を扶養していた。でも今は、生産年齢人口3人あたり1人の高齢者を扶養している。そして十年後には、生産年齢人口2人あたり1人の高齢者を扶養することになる。それがどれほど恐ろしいことか、ゲントには理解できないでしょう!!」
「イヤ、ナンカ、スゲー聞イタコトアルリアルナ数字デ、メチャクチャ理解シタワッ!!」
夢のない世界滅亡のシナリオに弦人はゲンナリした。
この世界は、つくづくなんなんだ!?
これでも本当に異世界か!?
ふと、そこで、弦人は違和感を覚えた。
少子高齢化?
なんでこんな中世ヨーロッパみたいな社会で?
社会学に詳しいわけではないが、少ないながら弦人は元の世界の知識を思い出す。
少子化や高齢化ってのは、だいたい、20世紀後半から21世紀前半の先進国みたいな、経済や産業の発展がいくとこまでいって成長が滞った社会で起こるもんだ......
こんな経済も産業も未発達な社会で起こるのは不自然だ......
大体、高齢化なんてものは、相当医療が発達していないと起らないはずだ......
「子供ガ減ッテ、老人ガ増エテル原因ハナンナンダ?」
弦人の質問にフレアは答えた。
「全ては、魔王の策略よ......」
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