派遣契約終了した俺は、金持ちニートデビューします。

丸山カイト

退去編

第1話 派遣契約終了

俺は派遣社員として住み込みで集合寮で暮らしている。


そんなある月曜日、派遣元の担当の人から電話があった。


「あのね…ちょっと…先週の勤務が最後で…今週いっぱいで終わり!」


突然派遣元の担当からクビを突きつけられた。


今週いっぱいで終わりというえげつない事実には驚いたが、なぜこのような事態になったのかは想像つかないでもなかった。


勤務形態は、月曜日から土曜日の中で週5勤務で日曜日は固定で休みだ。


ということは土曜日の出勤が最後ということだ。


今日この月曜日は自分自身が公休日なのだ。



俺は、担当からクビを突きつけられた直後に、部屋の片付けの続きを始めた。


ダンボールに服や料理に使っていた道具などを詰め込んだり、車に物を運んだり。


貸出された制服も洗濯して綺麗にたたまないとな。


いや、でも本当なら汚れたままでぐちゃぐちゃにして部屋に散らかしたまま出て行ってやろうかなと思うけどね。


そんなわけにはいかない。


もう突きつけられた事実だ。後ろは振り向かない。前しか向いていない。



俺は妄想しながら部屋を片付けていた。

それもいつもの妄想だ。


仮想通貨で儲けたお金でホテル暮らしをする。

朝は二度寝だろうが三度寝だろうが午前10時に起きるとかいう大学生みたいな生活。

時には1階にあるカフェに友達を呼び寄せて、いいところに泊まっているなあと言われたい。


昼は回転寿司に行って大トロやボタン海老をなんの躊躇ちゅうちょなく食べたり。


映画を1日に2本見たりして、夜は温泉に入ってホテルに戻る。


もしホテルに大浴場があったら、我が家に帰ってきたと言わんばかりに汗を流す。



そんなことを考えながら部屋を片付けている。



精神的ダメージはほぼ皆無な俺だった。

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