異世界転生で女神様にスキル【スキルコピー】を貰った俺

北比良南

転生した俺【スキルコピー】を貰った

 俺の名前は遠藤公一えんどうきみかず「イケメン」な十六歳の高校生。

 今の俺は女神様の作った空間に招かれているんだ。

 何故こんな状況になったかと言えば単純に交通事故が原因だ…


 あれは学校の帰り道の事だった…

 家に帰る途中に道端で男の子がボールで遊んでいたんだ。

 道にボールが転がっていき…まあ、ここからはよくあるお約束みたいな展開に…

 そして、これまたよくある展開で‥‥俺が飛び出して子供を助けるといったお約束の展開で車に轢かれ死んでしまったという状況に…

 で…今に至ると…


「…さん? 遠藤公一さん聞いてましたか?」

「…あぁすいませんぼうっとしてました」


「そうですか…ではもう一度お話ししますね、遠藤さんあなたは転生する権利を得ました。あなたが救った男の子は将来地球の環境改善に貢献し、歴史に名前が残るほどの子供だったのです。そんな子供を救った事で転生する際にも色々特典を貰える権利も得ました。転生にも色々ありますが、遠藤さんは何か条件がありますか? 勿論出来る範囲でではございますが…」


「う~んお金持ちとかは可能ですか?」

「えぇそれくらいの事でしたら容易い事です」


 あぁ…でもお金持ちだけってのもな…沢山の土地持ち…いやいや…ハーレムとか?

 そういえば転生ってアニメとかでもスライ〇とかのがあったりしたな…異世界とかってあるのかな?異世界ハーレムとかも出来たら楽しそうだな…


「おやおや…随分悩まれてるようですね…時間は気にしないでゆっくりどうぞ」


 色々悩んでいる俺の姿を見て女神様は優しい笑みを浮かべてそう答えた…


「あの…女神様質問があるんだけど良いかな?」

「ええ構いませんよ」


「えっと異世界とかってありますか? 剣とか魔法とかある異世界が」

「えぇありますよ」

「…えっとそれと重婚…つまりハーレムとかもあります?」

「えぇ…勿論そういう世界もありますよ。それにしても遠藤さん遠藤さんも男の子なのですね」


 女神様はふふっと笑みを浮かべこちらを見る


「それからそういった世界ではスキルとか…ありますかね?」

「ええ勿論あります…遠藤さんはそういった世界がご希望なんですか?」

「えっと…その…うん…」

「そうですか…それでしたら異世界への転生でよろしいでしょうか?」


「それで! それでお願いします!」


「では特典はどうなさいますか?」

「特典ですか?」


「例えばそういう世界の転生を望むのであるのならば、望まれるどの様なスキルでも一つ差し上げます。」


「どんなスキルでもですか?」

「えぇ所謂チートスキルと呼ばれるものでも構いませんよ。それくらいの功績があなたにはあるのです。ご遠慮なさらずにどうぞ」


 女神様はにこやかに答える…

(チートスキルでも…良いのか…)


 最強のスキル…いやいや…最強でもスキルの多様性も考えると防がれたら困るよな…かと言って防御系は攻撃が出来なくて詰まる…じゃあ…補助系魔法とか強化魔法…ダメだ…あっ…そうだ!

スキルを奪う…いやいや奪ったら奪われた事に気付かれて敵をたくさん作る事になるし…そうだ!スキルコピーだ…奪わず手に入れればいいんだ…


「女神様スキルはスキルコピーでお願いします」

「えぇ…承りました。」


「女神様ありがとうございます!」


「いえいえ礼には及びません。それだけの事を遠藤さんはされたのです。当然の権利です…希望するスキルはそれでいいとして、それ以外にも特典を付けますね…異世界言語通訳は付けておきましょう…それ以外にもお付けできるのは日本円にして一億円相当の白金貨とかですね…あとは…ステータスプレートですね…他になにか希望はありますか?」


「い、いえ、そこまで沢山いただけるだけで充分です…あぁ…でも質問があります」

「なんでしょうか?」


「えぇとですねスキルコピーはコピーできる数に限りはありますか?それと沢山スキルコピーした場合に副作用とかは?」

「特に制限はありません。制限数無限でコピーできますし、副作用といったものはありません…他に何か質問などはありますか?」


「えと…大丈夫です」

「そうですか…それでは転生させますが…最後に…赤ちゃんからやり直すのか今の姿のまま、そのまま転生どちらにいたしましょうか?」


「えっと今のままの姿で転生したいです」

「わかりました…それでは良い異世界転生をお楽しみください」


 自分の体が光に包まれていく…

 それを女神様は優しそうな笑みを浮かべ手を振り見送ってくれていた…

 ・

 ・

 ・

 光が消えた瞬間…周りの景色が変わっていく…

 辿り着いた場所は街の中の魔法陣と思しき場所だった…

 辺りに人がいたが、こちらを一瞥すると特に気にせず歩いていく…どうやらこういった人間は其れなり居るようなので気にするのはやめた…



「それにしてもここが異世界か…中世って感じの街並みで如何にも異世界って感じだな…よし!それじゃ能力も確認したいし…早速スキルプレート!」


 ブーン!


 エンドウキミカズ   16歳

 Lv1


 力   24

 体力  18

 魔力  12

 敏捷  19

 幸運  8


 資質


 平凡      特に得意も不得意もなく平凡

 異世界言語翻訳 どの異世界でも通用する言語翻訳の資質


 魔法       


 未習得     魔法を習得してない状態です


 スキル


 スキルコピー



「おおっ! これぞ異世界って感じだ!」


 喜んでいると周りの人間が何故かこちらを見てニヤニヤし始めた…

(なんだろう? こっちを見てるのかな? まあいいや取り敢えずその辺にいる人に適当にスキルコピーを使ってみよう)


 心で念じスキルコピーを発動させる…

 すると頭の中に声が響いた…スキルをコピーしました。

(よしっ!!スキルを確認してみよう)

「ステータスプレート!」


 エンドウキミカズ   16歳

 Lv1


 力   24

 体力  18

 魔力  12

 敏捷  19

 幸運  8


 資質


 平凡      特に得意も不得意もなく平凡

 異世界言語翻訳 どの異世界でも通用する言語翻訳の資質


 魔法       


 未習得     魔法を習得してない状態です


 スキル


 スキルコピー スキルコピー



「えっ!?」


 スキルコピーのスキルが一つ増えていた…

(運が悪いな…丁度コピースキルを持ってたのか…よし!気を取り直して!スキルコピー!)


 気を取り直してスキルコピーを使った。

 するとまたしても頭に声が響く…スキルを八個コピーしました。

(八個も!? 凄いな! 所持してるスキルを全部コピーできるのか…さてさてどんなスキルかな?)


「ステータスプレート」


 エンドウキミカズ   16歳

 Lv1


 力   24

 体力  18

 魔力  12

 敏捷  19

 幸運  8


 資質


 平凡      特に得意も不得意もなく平凡

 異世界言語翻訳 どの異世界でも通用する言語翻訳の資質


 魔法       


 未習得     魔法を習得してない状態です


 スキル


 スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー    スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー 


(えっ…? …まさか…まさか…)

 俺はある事に気付きスキルコピーを繰り返した…

 暫くして…


「ステータスプレート」


 エンドウキミカズ   16歳

 Lv1


 力   24

 体力  18

 魔力  12

 敏捷  19

 幸運  8


 資質


 平凡      特に得意も不得意もなく平凡

 異世界言語翻訳 どの異世界でも通用する言語翻訳の資質


 魔法       


 未習得     魔法を習得してない状態です


 スキル


スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー    スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー

スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー    スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー スキルコピー

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「うわあああああああああああああああ!!!」


 思わず大声で叫んでしまった…その光景を周りの人はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべて見てきた…こいつらは全員知ってたんだ…

 俺は項垂れてしまった…


 ―数十年後―


 この異世界にはスキルがスキルコピーしかなかった…

 それを知った俺は冒険などはすっぱり諦めて女神様から貰った白金貨を使い事業を始める…事業は軌道に乗り財も増えた…その財を使い女奴隷を買いハーレムも出来た…結果的に言うなら、その後も安定した生活を送れた。

 結婚も出来て子供にも恵まれた…奴隷のハーレムも作り夢の一部を叶えられたのである意味満足の行く人生を送れた…

 ただ一つ納得いかないのは、スキルコピーに関して…世界中どんな奴もスキルコピーしかない世界なんてふざけるな!と言いたい。

 それ以外は満足ではあった…

 そんな俺ももう八十二歳で死に近づいていた…


「女神様…恨むよ…」


 これが最後の言葉であった…

 これが俺遠藤公一の異世界の一生であった…




 ―女神様の空間―


「あはははっ! 笑えるお腹がお腹が!」


 遠藤公一の一生を見てお腹を抱えて笑い転げている…


「あ~おかしいww遠藤さ~ん! ちゃんと異世界の行先の注文はしないと~wwwあはははっははははww」


「今回異世界に送った人間も面白い一生だったわ~さてさて次は誰を送ろうかな~」





 女神様はそういうと見るからに意地の悪そうな、嫌な笑顔で次の候補を探すのだった…

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異世界転生で女神様にスキル【スキルコピー】を貰った俺 北比良南 @omimura

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